今や"空前のペットブーム"の真っ只中。しかしその傍らでは、動物にまつわる"ご近所トラブル"も年々増えています。中でも深刻なのが"野良への餌やり"。つい先日も、とある女性が「猫の餌やりをやめさせたい」とネット上に悩みを投稿していました。
野良猫に餌を与えるせいで、家庭菜園の庭が糞まみれ...
事の発端は、ご近所さんによる野良猫への餌やり。そのせいで家庭菜園をしている自宅の庭に、猫が糞をしに来るようになったそうです。対策として水入りのペットボトルを置いたり、猫よけの薬を撒いてみたものの効果はほとんどなし。いっそのこと"餌やりをやめてほしい"と直接注意するべきかと頭を悩ませています。
そんな彼女のお悩みに対して、ネット上では「大切な家庭菜園をトイレにされるのは悲しいですよね」「野良猫への餌やりは非常識極まりない行為」「正直猫を愛する人以外にとって、野良猫は糞尿や悪臭をまき散らす以外の何者でもない」といった同情の声が続出。
中には「野良猫の寿命は飼い猫に比べてとても短いもの。ほんの数年だけ我慢してあげて」「トピ主さんの要請で野良猫の食事が阻害されるのはかわいそう」といった否定的な声もあるものの、多くの人が「勇気を出して注意すべき」と助言を送っていました。
その他にも「猫よけの超音波が効果的らしい」「竹酢液を原液のまま家の周りに撒いたら、効果てき面でしたよ」「金網で庭を囲ってみてはどうでしょう」等の様々なアドバイスが続出。さらには「本当に野良猫を救いたいなら、保護して去勢手術した後、自分で飼うか飼い主を見つけるべき」「"可哀相"の一言で済む話ではない」など、"無責任な餌やり"に言及するコメントも多数上がっています。
なぜ野良や野生動物に餌を与えてはいけないの?
動物への餌やり問題は、野良猫に限った話ではありません。公園にいる鳩やカラスなどの野生動物も、基本的に餌やりは禁止されています。では一体なぜ、野良や野生動物に餌を与えてはいけないのでしょうか。
「東京都環境局」の公式サイトには、「野生動物への餌づけ防止のお願い」という注意喚起が。そこには野生動物に餌を与えてはいけない理由として、「動物が餌をもらうことに慣れてしまう」「人の食べ物の味を覚える恐れがあるため」の2点を挙げています。
餌をもらうことが当たり前になった動物は、いつしか人間に対して食べ物をねだるように。時には人に襲いかかってくる恐れもあるため、トラブルを起こしてしまうと"駆除"という最悪の事態にもなりかねません。
いっぽう「品川区 都市環境部 環境課」の"野良猫の餌やり"に対する注意表記には、「人間が餌をあげると野良猫として自然の中で生活するよりも栄養が良く摂取でき、共存率も高まる」「結果、野良猫が増えてしまうことになります」と綴られています。
ひもじい思いをしている猫を見るのは、とても心苦しいもの。しかしだからといって無闇に餌を与えるのは、可哀相な命を増やす要因にもなり得ます。野良猫の餌やり問題は、今後も深刻化していきそうですね。
文/藤江由美