寝室のドアの開き方で「防犯対策」。建築会社社長が指南、費用をかけず「狙われにくい家」にする方法

【本作を第1回から読む】「中古」より「新築」がお得!? 初期費用だけでは計れない、住宅購入時の「トータルコスト」の重要性

『住まい大全 ずっと快適な家の選び方、つくり方、暮らし方』 (平松明展/KADOKAWA)第6回【全6回】

住宅購入は、一生で一度の大きな買い物といっても過言ではありません。「後悔したくない」とは思っても、漠然としたまま足踏みしている方も多いはず。大工経験があり、建築士の資格をもつ建築会社社長・平松明展氏による『住まい大全 ずっと快適な家の選び方、つくり方、暮らし方』には、「安心安全に暮らせて老後に不安のない住まい」を手に入れるためのポイントが紹介されています。住まいに関する知識を得て、理想を現実にしませんか?

※本記事は平松明展著の書籍『住まい大全 ずっと快適な家の選び方、つくり方、暮らし方』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。


家と家族を守る防犯対策

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ライフプランに基づいて完成させた家。人生は予測がつかないもので、思わぬ被害や損害を受けることも。そのひとつが盗難や強盗被害です。ここでは家をつくる際に取り入れられる防犯対策について解説します。

費用を極力かけずに防犯設備をつける

命はお金には代えられません。また、不安の中で生活するより、安心して暮らせるほうがいいに決まっています。それでも防犯設備にかける費用が極端に高くなるようなことは避けたいという思いもあるでしょう。考え方次第ですが、ほかの設備の無駄を省くことで費用を確保し、また適切な選択によって投資効果の高い防犯設備をつけることができます。

泥棒や強盗が入ってくる場所は、玄関、窓、勝手口。玄関は錠を2箇所つけ、ピッキングしにくい鍵(かぎ)にするのが第一。窓はないほうがよいのですが、日射による熱と光の取り入れを考えるとゼロにはできません。ただ、無駄な窓はあると思います。これを見直して窓数を減らせれば費用削減につながります。入りにくい大きさにするのも一手でしょう。

勝手口は防犯の観点からはないほうがよいです。ただこちらも生活動線のことがあるので、「つけるな」とはいえません。

では防犯対策です。格子を設置する。これは窓にも勝手口にも有効な手段。格子をつけにくい窓にはシャッターか防犯フィルムを設置する選択があります。前者は自動で開閉できるものもありますが、常に開閉をしなければならないというのが難点。後者は設置するだけで防犯の効力を得られますが、初期費用が上がります。また日射の取得量が落ちるのでパッシブデザインには取り入れにくいといえます。

狙われにくい家にすることも重要です。高い塀があれば入りにくいと思う人もいますが、そこを乗り越えたら周囲から犯行が見えなくなります。塀は低いほうがよく、プライバシーとの兼ね合いもありますが、周囲から異変がわかるようにしておくとよいでしょう。塀を低くすれば費用削減にもなります。その分を窓の防犯に当てるという考え方もできるでしょう。

 

平松明展
平松建築株式会社代表取締役。建築歴23年。19歳から大工として10年間で100軒以上の住宅を解体、修繕し、住宅の性能の特徴を理解する。2009年創業。会社経営を行いながらもドイツを訪れて省エネ住宅を学ぶほか、地震後の現地取材を行い、気候風土に合った家づくりの研究を行う。YouTube チャンネル「職人社長の家づくり工務店」(登録者数は9万人以上)も配信中。

※本記事は平松明展著の書籍『住まい大全 ずっと快適な家の選び方、つくり方、暮らし方』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。

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