今年も残すところあとわずか。2019年をより良い年にするために、古神道数秘術研究家の中井耀香先生に幸せを呼ぶ神社参拝の心得を伺いました。お正月だけでなく、日頃からご挨拶をする「マイ神社」を見つけて、ご利益をいただきましょう。
遠くの大社より近くのマイ神社
神社に行くことはとても大切ですが、心得や作法を知らないでお参りをしても、あまり意味がありません。そもそも、「神様は自分のお願いをかなえてくれる存在」と思っていたら、それは大間違い。突然知らない人の家に行って、お金をくださいと言っているようなものです。お願い事を成就させたいなら、まず「マイ神社」を決めましょう。やみくもに神社を渡り歩くよりも、自分の家の近くにマイ神社を見つけて、事あるごとにお参りをしていると、神様が少しずつかわいがってくれるようになります。
マイ神社の決め方は、最初に何社かお参りして、感覚的にいいと思ったところや、神様は右からいらっしゃるので、右側からいい風を感じたり、白い鳥を見かけたら、それは神様からのメッセージ。その場所に決めるといいでしょう。
●神様にごひいきされるお参りの心得
1. マイ(MY=私の)神社を決める
2. 神様に挨拶・感謝をする
3. まめに神社に通う
4. お願い事は小さなことから
5. おさい銭はガバガバ入れる
お願い事は少しずつステップアップ
マイ神社を決めたら、いきなりお願い事をするのではなく、お礼を言いながら自分の存在をアピールすることを続けてください。「私はこうなります」という宣言でもいいですし、「今日も元気に過ごせました。ありがとうございます」というように感謝を伝えることで、自分の存在を分かっていただけます。
神社は「天蔵(てんのくら)」とつながっていて、そこにはお金も健康も無限にあるといわれています。神様に何回かご挨拶を続けたら、小さなお願い事から始めてみましょう。そして願い事がかなったら、「神様のおかげです。本当にありがとうございました。またよろしくお願いします」と深い感謝を伝えることが大切。感謝する力のある人が、どんどん夢をかなえていけるのです。
お参りを繰り返すうちに、少し大きな願い事にも「力になるよ」と、神様が耳を傾けてくださるようになります。人生には、なんとか願いをかなえていただきたい〝ここいちばん″の場面があります。家族の病気平癒や子どもの結婚など、絶対にお聞きいただきたい大きな願い事をするときには、「祈願」を出してください。玉串料も奮発するぐらいがいいでしょう。
神様は分業制。願い別にお参りを
神様の世界は分業制を採用しています。つまり、なんでもかなえてくれる万能な神様は存在しません。マイ神社とは別に、毎月1日だけ、願い事に合わせた神社にお参りするのもおすすめです。
お金とのご縁を強くしたいなら、お稲荷様、弁財天様、龍神様にお参りを。切れかけた縁や家族の絆、仕事の縁などをくくってまとめてくれる神様なら、菊理媛尊(くくりひめのみこと)。石川県の白山比咩(しらやまひめ)神社に祭られている神様で、全国に2千社以上ある白山神社の総本宮です。お稲荷さんも全国に3万社あるといわれ、弁財天様も日本中にあるので、お近くで見つけてみてください。
◎人間関係で困ったときの「お清め」と「お参り」
いわれのない言いがかりなどを向けられたり、どうしようもない人間関係で煮詰まっているときは、「悪縁消滅」と書いた護摩木(ごまぎ)を徹底的に出します。この「火のはらい」でかなりの人間関係がはらわれます。
◎迷ったときの「お清め」と「お参り」
迷う(まよう)は「魔が寄る」に通じます。自分の行く道に迷ったときは、猿田彦大神にお導きいただくとよいでしょう。猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)は道案内の神様で、伊勢の猿田彦神社や、鈴鹿の椿大神社(つばきおおかみやしろ)を中心に全国にいらっしゃいます。
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取材・文/田辺千菊