チャンネル登録者23.6万人の「Diy Soho手作り倉庫」を主宰する73歳のYouTuber、吉田三世さん。手作り歴は60年以上で本業は社交ダンスのドレス作りでしたが、コロナ禍で社交ダンスの競技会が一切中止になり、注文が途絶え、収入がゼロに。メルカリで見つけた大島紬を購入して着物リメイクを始め、それを動画で投稿したところ、たちまち大人気に。72歳でカルチャー教室で講師デビューも果たしました。「100歳まで、あと27年もある。明日、何があるかわからないから、面白い。人生まだまだ、これからよ」と吉田さん。そんな前向きでパワフルな生き方・考え方が詰まった著書『人生まだまだ、これからよ 七転び八起き』(KADOKAWA)から一部を抜粋してご紹介します。
※本記事は吉田三世著の書籍『人生まだまだ、これからよ 七転び八起き』から一部抜粋・編集しました。
この年になっても、知らないことばかり。まだまだ知りたいことだらけ
教室の前に立って、講義をするようになるなんて自分でもビックリ。「先生のおしゃべりと明るさで、楽しい時間でした」と言われましたが、私も皆さんから元気をもらいました。
生まれたときから、好奇心いっぱいだったんじゃないかなぁと、思うほど、私は知りたがり。
気になることがあると、とことん、突き詰めたくなるんです。
コロナ禍に、たまたまメルカリを見ていて、出会った大島紬も、まさにそれ。
フランスのゴブラン織、イランのペルシャ絨毯に並ぶ世界三大織物のひとつで、高級品とされているのに、ずいぶん安く販売されていることに驚きつつ、服を作ったら、面白いかもと思い、手に入れたら、あっという間に夢中に。
大島紬の他にも、大正時代に流行った銘仙や麻の着物、ウール素材の着物、綿で作られた着
物などいろいろな着物を買いました。
解く、洗うという作業の繰り返しでわかったのは、素材や種類によって色落ちしたり、縮んだり、パリパリになったりする着物が、あるということ。
でもね! 大島紬など織の着物は、色落ちや縮みが起こらないんです。
ノリが取れてやわらかくなることはありますが、それはそれで心地よい肌ざわり。
調べてみると、泥染めならではの堅牢さで、何代にもわたって着ることができる、長く着ることで体になじみ、色も深まっていくとのこと。
雨すなわち水に強い、しわになりにくい、裏表がないのも魅力的だなと感心しました。
ソテツの葉をモチーフにした龍郷柄や、秋名バラ柄など大島紬ならではの柄があることも知りました。
「大島紬、すごい!」と思ったら、もう好奇心が抑えられません。
発祥の地である鹿児島県奄美大島を訪れたくなって、2023年春、現地へ。
島では、工房や体験施設からなる大島紬テーマパーク「夢おりの郷」を訪れて、糸の作り方から図案作成、泥染め、機織りまでの工程を解説していただきました。