住まい、お金、健康、人間関係など...漠然と老後に対する「不安」を抱えている人は多いでしょう。そこで今回は、60代からの一人暮らしを満喫するYouTuber・yamaさんの著書『61歳、ひとり暮らし一年生。 お金はないけど、「好き」を重ねて楽しむ暮らし』をご紹介。57歳での突然の整理解雇、目が開かなくなる病気、父親の死など、人生後半のスタート時に訪れた困難を乗り越えた彼女の生き方は、きっとあなたの将来のヒントになるはずです。
※本記事はyama著の書籍『61歳、ひとり暮らし一年生。お金はないけど、「好き」を重ねて楽しむ暮らし』から一部抜粋・編集しました。
【前回】60歳を目前に、家中を片付け! そこで「手放したもの」と「残したもの」
器選びも、料理の楽しみのひとつ。骨董市や雑貨店で鳥モチーフの器を見つけると、つい買ってしまいます。
ひとり暮らしの食事の課題は食べる速さと会話術
YouTube用に料理をするのは、基本的に週に一度です。
でもその他の食事も、動画で紹介しているものとそれほどかわりません。
違いがあるとしたら、まとめてつくっておいたものを温めなおしたり、アレンジしたりすることがあるぐらい。
ひとり分の料理は毎回一からつくると割高になりがちなので、日常的につくりおきや冷凍保存をしているからです。
配信を始めたばかりの頃は「少しでもきれいに見せなきゃ」と、料理の盛りつけにも力が入っていましたが、無理をしても長続きしないもの。
しばらくたつうちに、余計なことは考えず、普段どおりに仕上げるようになっていました。
私はもともと、料理をきれいに盛りつけるのが好きなのだと思います。
撮影をしていなくても、料理は見栄えよく仕上げたい。
自分ひとりで食べるサラダでも、美しく盛りつけられると、「やった!」とうれしくなります。
料理をする際は、必ず彩りを考えます。
カラフルな食材を上手に使うことは、栄養バランスを整えることにもつながると思うからです。
おしゃべりしながら食べるのって意外に難しい!
ひとり暮らしを始めたばかりの頃は、ひとりで食事をすることに違和感がありました。
さびしさというより、「ひとりでとる食事は健康によくない」などといわれることがあるため、メンタルに負担がかかるのかな?と気になっていたのだと思います。
私の場合、ひとりの食事がメンタルに大きな悪影響を及ぼすことはなかったと思います。
ただし、間違いなく影響を受けたことがひとつあります。
それは、「食べる速さ」です。
家族との食事は会話をしながら楽しめますが、ひとりだと黙って食べるだけ。
たまにだれかと一緒に食事をすると、自分の食べるペースがびっくりするほど速くなっているのがわかりました。
また、おしゃべりをしながら食べるテクニックも確実に衰えます。
大学時代の後輩と食事をしたとき、「モグモグする」と「話す」をスムーズに切りかえられなくなっている自分に気づきました。
ひとりで食べるときは、ただひたすらモグモグするだけです。
それに慣れすぎて、話し出すタイミングをうまくつかめなくなってしまったのです。
後輩が話しはじめると、「人が話しているときに食べたら悪いかな?」という気がしてきて、食べられない。
私が料理に手をつけないので、後輩も遠慮して食べようとしません。
料理を眺めながらしばらくおしゃべりした後、どちらからともなく、「食べよっか?」。
その後は、冷めてしまった料理を食べることに専念しました。
今思うと、あの後輩もひとり暮らしだったのかな......?