長年愛情を込めて育てた子どもに、ショックな言葉を言われた経験はありませんか? 以前ネット上では、息子から自分の子育てに文句を言われたという女性の投稿が話題になりました。
兄妹間で差別されたと文句を言う息子
投稿者は29歳の息子と24歳の娘を育て、現在はパートとして働く52歳の女性。最近高血圧で倒れてしまったこともあり、娘は様子を見に母親の元をよく訪れるそう。しかし息子はまったく顔を出さず、同じ市内に住んでいても帰ってくるのはお盆だけ。母親が倒れた際も妹に任せて、自分は様子も見に来なかったと明かしています。
さらに投稿者である母親が「さすがに冷たい」と息子に直接伝えたところ、息子からは「妹のほうばかり可愛がり、自分はさっぱりだった」「妹のほうに金をかけていたんだから、妹に面倒見てもらえ」といった返答が。また妹は私立の大学を出たのに、自分は大学受験に失敗したとはいえ浪人させてもらえず高卒だったことにも言及。これには投稿者も「愛情は同じ位です。同じ可愛い子どもです」「どうしたら... わかってもらえますか?」と強いショックを受けたようです。
この投稿にはネット上でも「男の子なんてそんなもんですよ。お母さんとしては寂しいとは思いますが、年を重ねるにつれて変わってくるはずです」「親なんだから子どもの行動に一喜一憂せずに毅然とした態度をとっていいと思う」といった声が。一方で「本当に同じくらい愛情を注いでいたなら、息子さんは何も言わない」「これまで言えなかったことが、自立してやっと言えるようになったんだと思う。否定しないで耳を傾けるべき」といった意見も上がっています。
きょうだい平等に接するためには?
今年9月に放送された「ウワサの保護者会」(NHK)では、「きょうだいの子育て」について特集。保護者から「きょうだいに平等に接することができない」という悩みが寄せられました。スタジオにいる保護者からは「子どものころ、妹の方がかわいがられているという不公平感を感じていた。でも母親が自分と2人だけの時間を作ってくれたことで『自分のことも気にかけてくれている』という気持ちが生まれ、安心できた」「完璧に平等にしようとすると、かえってがんじがらめになってしまう」といった意見が。
そこで教育学者の汐見稔幸さんは、思春期になったら今まで言えずにため込んできた思いを一度吐き出させてみてはどうかと提案。例えば親から「あの時、○○したことをお母さんは反省してるんだよね。本当はもっと言いたいことがあるんじゃない?」と聞くなど、わだかまりを残さないことが大切だと明かしています。
一度拗れてしまうと、長引いてしまう場合も多い親子関係。お互いにきちんと向き合って、よりよい関係を築けるといいですよね。
文/藤江由美