「家族でできること」を可視化しましょう/身近な人に介護が必要になった時のために(3)

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周囲に要介護者(介護を受ける人)がいないと、介護は自分に関係ないと思いがちです。が、介護者(介護をする人)になる日は突然やってきます。その時に知識がないとどうすべきか分からず、精神的に追いつめられることに。そうならないために知っておくべきことを、介護者のサポートをしている阿久津美栄子さんに、伺いました。

「介護者になると自分の置かれた状況を冷静に見られなくなります。そこから抜け出すためには、介護環境を可視化することをおすすめします」と阿久津さん。では具体的にどのようにすればよいのでしょう?

前の記事「介護は終わりが見えない? 介護の「道のり」をチェックしましょう/身近な人に介護が必要になった時のために(2)」はこちら。

  

介護に関わる人は1人ではありません

まずは要介護者の状況や介護に関わる人を記します。状況を図にしてまとめると見えてくることがあるのです。まずは「介護に関わる人」の相関図を書きましょう。下の図のように、要介護者と介護者の関係、仕事状況などを明確に記載します。 介護に関わる人.jpg

主介護者(主に介護にあたる人)は、介護をするのは自分1人と思いがちです。が、このように図にして可視化することで、実際は多くの人が関われることが分かります。近くに兄弟姉妹がいれば、時々、介護をお願いできます。介護経費をどの程度分担してもらえるかも見えてきます。

そして、下の図のようにさらに介護に関わる日常の作業全てを書き出し、その作業の担当者を割り振りましょう。主介護者の担当を少しでも減らすよう心掛けることが大切です。これにより家族全員が介護者である意識を共有できるようになります。ホームヘルパーなど専門職の力を借りることもできます。直接介護に関わらず任せきりになる方は、介護の費用を援助し、口は挟まないようにしましょう。

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最後に、主介護者は、自分と要介護者の1日のスケジュール表を作ってみましょう。デイサービスをお願いして専門職を味方にする、家族に任せる時間を作るなど、自分の時間を作れるよう、要介護者と自分のスケジュールを書いて検討しましょう。

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このように要介護者と主介護者、そして家族など取り巻く状況を可視化することで、客観的に状況を把握する助けになるのです。

  

<教えてくれた人>
阿久津美栄子(あくつ・みえこ)さん
1967年生まれ。NPO法人UPTREE代表(http://uptreex2.com/)。NPO法人介護者サポートネットワークセンターアラジン理事。子育て中に両親の遠距離介護を経験し、介護者の居場所を作る活動を行う。2016年、母子健康手帳の介護版ともいえる「介護者手帳」を制作。
この記事は『毎日が発見』2017年8月号に掲載の情報です。

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