こんにちは山田あしゅらです。
『13番さんのあな―介護家庭の日常―』というブログで義両親の介護の様子を嫁の目線で綴り始めて10年が経ちました。
夫「としお」には少し離れたところに住む3歳違いの弟「よしお」がいます。男兄弟にありがちで元々ドライな間柄でしたが、それぞれの子どもがほぼ同時に生まれ...
子どもたちが小さいころは一緒に旅行に行ったり、お盆やお正月はこちらに遊びに来たり
それなりに行き来はありました。
子ども達が大きくなり巣立っていくと次第に会う回数も少なくなっていきましたが、それでも夏休みとお正月は皆で顔を合わせるようにはしていました。
しかし、義父と義母の衰えが目立って進んでくるとお互いの間に微妙な空気が流れ始めていったような気がします。
年に数回、それも数時間顔を見るだけでは日常のあれこれはほとんど伝わりません。
毎日、義母の排せつ介助があるとか、週に1~2回2人の病院の付き添いをせねばならないとか、義父が転倒を繰り返して気が休まらないとか、毎日義父が家に居て外出できないとか、時折風呂に排泄物が落ちるようになってきたとか、意味の分からない通販購入に振り回されているとか、何より、始終家の中を漂う何とも言えない悪臭とか...
...まだまだ数え上げればキリがない2010年ごろの我が家の在宅介護生活。
それらを全て伝えるのも難しいと思いますし、伝える相手がどう受け止めるかによって、思わぬ方向にいきかねないということもあります。
前回の記事に書いたように、ブログで夫に上手く伝わったのは、夫もその場で少なくとも現状を見ることが出来たからです。
前回の記事:うっぷん晴らしのために始めた介護ブログ。その予想外の効果とは/山田あしゅら
いくら口で訴えようとも、手紙攻勢をかけて窮状を分かってもらおうとしても、介護は実際目にして自らの手を下さなければ理解することは難しいものだと思います。
当時私達夫婦間で、
と半分本気半分冗談で内緒話をしていたときもありました。
ブログのコメント欄でも、兄弟姉妹間の介護分担の話になるとおおいに盛り上がります。
そのうちで円滑にいっているという話はあまり出て来ません。
多くの人が不公平感を感じたり、中にはストレスの根源以外何物でもない結果になっていたり...。
不満を抱く人が多くいると言うことは、それだけ親族間の平等な介護分担が難しいことを物語っているようです。
1人に全負担がのしかかるのが正しくないことは確かです。
ただ介護は始まった時の衝撃や疲弊で済むものではなく、時間と共に負担増になり、終わりが見えない「負のマラソン」のようなものでもあります。
そんな時に外部から見当違いなアドバイスや横やりを入れられるのもこれまた辛い。
というのも、介護もやっていくうちに自分のスタンスや方針が出来上がっていくからです。
理解してもらえない相手を説得する余裕も気力もないまま、介護に追われる日々は続いていきます。
それでも時折首をもたげる「何で自分だけ?」という感情だけは残るのです。
だからこそ、親や親族の介護が本格的に始まる前に、家族全員である程度の分担を話し合っていくのが理想と言われます。
介護未経験な人には、何をどう分担して何をどう始めればいいのかピンとこず、なかなか難しいことかも知れませんが、お金の負担や、財産の管理、行政や医療関係の届け出業務は誰が主になって行うか、被介護者をどこで看るか...など
各家庭のおおまかな方針だけでも決めておくと一人に押し付けることなく、少しはスムーズに事が運ぶのではないかと思います。
将来親の介護を真剣に考えていらっしゃるご家族はそういう機会を一度持たれてはいかがでしょうか?
それには兄弟姉妹間、親族間のつながりがまず必須なんですけどね...。
【次のエピソード】介護サービスを利用したい!介護認定調査の流れとは?/山田あしゅら
【最初から読む】義両親の様子がおかしい...介護生活がはじまった日/山田あしゅら
【まとめ読み】義父母の介護での「事件」満載!山田あしゅらさんの記事リスト
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。