今年は、特に猛暑が続く厳しい夏となっています。夏は感染症が流行しやすく、「ヘルパンギーナ」 など大人でも重症化の恐れがある感染症が流行することも(※1) 。暑さ寒さが厳しい時季は、健康でも病気にかかったり体調を崩したりしやすくなります。また時季に限らず、慢性的に疲れがとれないなどの不調を抱えている人も多いのでは。そんな中でKenvueから注目のプレスリリースが出されましたのでご紹介します。
※1:厚生労働省 広報誌「厚生労働」6月号 令和1年
最近の研究(※2)によると、慢性疲労症候群と診断された人は、健康な人と比べて、腸内細菌のバランスが乱れているということがわかったそう。
腸内環境が悪くなると腸の機能が低下し、栄養素の吸収効率も悪くなり、免疫力も低下。
それにより、さまざまな全身トラブルにつながることも考えられます。
※2:Microbiome. 2016 Jun 23;4(1):30.
免疫力向上のためにも実践されている「腸活」
Kenvueが実施した「体調管理と口内環境に関する調査」によると、腸活を実践している人のうち、免疫力の向上を目的として行っている人は63.8%【図1】で、腸活をしている人はその継続意欲も高く、体調管理のために腸活を今後も続けたいと考える人は96.3%もいることが明らかに【図2】。
腸活は、体調管理の手段としてスタンダードになってきているようです。
Q.「腸活」はどのような目的で行っていますか?(Kenvue「体調管理と口内環境に関する調査」令和5年)
Q.今後も「腸活」を行いたいか?(Kenvue「体調管理と口内環境に関する調査」令和5年)
体調管理にも影響する可能性のある意外な盲点とは?
体調管理のために行う人が増えてきている腸活ですが、実はその効果に影響するような意外な落と穴が存在するそう。
それは、「お口の中」。
2019年の研究では、唾液と便から採取した菌の約3割がどちらからも採取されたと発表されています(※3)。
このことから「口の中の悪玉菌(※4)が飲み込まれ腸まで届き定着していることが考えられ、 口内の悪玉菌が腸内に到達し 、 腸内フローラに影響を与えている可能性がある」とのこと。
Q.論文内容を提示した上で、「口内の悪玉菌が腸内フローラに影響を与えている可能性がある」ことを知っていたか?(Kenvue「体調管理と口内環境に関する調査」令和5年)
このことは腸活実践者でも約8割が知らず【図3】、体調管理のために腸活を行っている人にとって「知らぬ間に腸内環境を乱してしまっている可能性がある」のです。
※3:Elife 2019 Feb 12 8 e 42693
※4:主な口内の悪玉菌は、虫歯の原因となるミュータンス菌や、歯周病の原因となるジンジバリス菌(P.g.菌)などが挙げられる。
専門家に聞く!口内の悪玉菌ケアの有効性とは?
口内の悪玉菌ケアの有効性について、生活習慣病治療のエキスパートの小川 明子先生もこう語ります。
「体内で炎症が起こり、それが慢性化すると、免疫システムに異常が生じてさまざまな生活習慣病を引き起こします。予防にはストレスをためない、食生活の改善や適度な運動、睡眠を充分に取るなど、生活習慣を改善して慢性炎症状態にならないようにすることが重要です。これは、お口の中も同じです」
「歯周病などの慢性炎症になると血管などから細菌や炎症物質が全身へと運ばれ、さまざまな病気につながります。同時に口内の悪玉菌が飲み込まれて、体内のバリアをすり抜けて腸へと到達し腸内環境に影響を与えている可能性も十分にあると私は考えています。飲み込まれた悪玉菌によって、腸内環境のバランスが乱れることは免疫力の低下につながってしまいます」
小川先生によると「私たちが身近にできることとしては、歯磨きやフロスといった基本となる口内環境のケアをしっかりと行い、ベースを整えながら、マウスウォッシュなどをプラスして、口内悪玉菌である歯周病菌をお口でストップしていくことだと思います」とのこと。
生活のなかに歯磨きやフロスに加えてマウスウォッシュも上手に取り入れて、健康を維持したいですね。