「孫は目の中に入れても痛くない」という言葉もあるように、祖父母にとって孫は可愛くて仕方がない存在。しかし、近ごろは高齢者の「孫疲れ」が問題となっています。
孫の世話で疲れ果てる高齢者が増加中!?
「孫疲れ」とは、孫の世話で自分の時間が無くなって疲れ果ててしまう現象。今年8月放送の「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日系)は、孫疲れの実態を探っていきました。
孫疲れが増加した主な要因には「晩婚化」が挙げられます。かつては50代の頃に初孫が産まれるというケースが多数。昨今は晩婚化の影響で、60代になってから孫が産まれるパターンが多くなっているようです。老齢化した祖父母にとって、パワフルな孫の面倒を見るのは大きな負担に。
また、祖父母との「近居率」が上昇しているのも孫疲れの要因。同番組によると、1994年頃までは孫の住む家と祖父母の家が離れている傾向にあり、車で移動するのに1時間以上かかるという家庭が約4割を占めていたのが、2007年の調査では、移動に1時間以上かかる家庭はわずか24%に激減。孫と祖父母間の距離が次第に近くなっていき、孫の面倒を任されるケースが増えていると判明したのだそう。
視聴者からは「孫疲れって初めて聞いたかも。自分の両親にとって孫は可愛いだけでなく、負担になるケースもあるのか...」「ついつい軽い気持ちで孫を預かってもらってたけど、実家の両親を頼り過ぎないように気をつけなきゃ」といった反響の声が相次いでいます。
子ども世代の"甘え"が孫疲れを加速させる?
"親世代"が孫疲れに頭を抱える一方、親に甘える"子ども世代"も多いようです。
ネット上では、「義母が孫の世話をするために、毎週土日に1時間かけて兄夫婦の家へ通ってます。兄夫婦は共働きとはいえ、夜の10時まで孫の面倒を見ている義母が流石にかわいそう...」「近所のママ友でも、親に育児を丸投げしてるタイプの人がいる。その割にはSNSで育児してますアピールをしてるからタチが悪い」といった報告談が多数上がっていました。中には公園で出会った見知らぬおばあちゃんから、孫疲れの愚痴を言われたというお母さんも。
子育てで大切なのは、両親と祖父母にそれぞれ負担がかかり過ぎないバランス感なのかもしれませんね。
文/藤江由美