家族5人で住んでいた古い団地で、1人の暮らしを楽しんでいる多良美智子さん。快適に暮らすためにしていることを教えていただきました。
【前回】「面倒くさい」をなくせる! 「断捨離」の生みの親、やましたひでこさんの片づけ・収納法
「1人の暮らし」を楽しむ片付けのヒント
87歳・多良美智子さん
「主人に先立たれた後、物を1日1品捨てることを1年間続けました。主人や子どものものがあふれていましたが不要なものを全て処分。かなり風通しが良くなりました。なかなか捨てられなかった洋服は寄付し、たんすなどの大型で場所を取る家具を捨てたら、さらに部屋の中がスッキリ。空間に余裕ができると、不思議と気持ちにも余裕が出てきました。現在は無理のない範囲で、できることをコツコツと。食と美容、そして健康にアンテナを張り、若い人たちの話を聞き、毎日少しずつ勉強を続けています」(多良さん)
【片付けのヒント】あるものを生かす
買い足すのではなく、いまあるものに知恵をプラスして活用することで、暮らしが便利に。
食器は使うだけじゃない
見ているだけで幸せな気分に
「若い頃から器が大好きで、以前はそれこそたくさん食器を持っていました。いま手元に残しているのは、一番のお気に入りだけ。食器棚に余裕が生まれ、飾るようにしまうことができるようになりました。残してある器は、おかずを少量盛り付けても見栄えが良い、小さめの器が多いですね」(多良さん)
空き瓶は、生かす
旬の野の花を飾って楽しんでいます!
「私は空き瓶が大好き。ジャムや調味料が入っていた瓶を、なんでも取っておいています。ゴーヤの佃煮を入れたり、きゃらぶきを入れたり、散歩のときに摘んできた花を飾ったり。お気に入りは、柚子こしょうの瓶。形がおしゃれでサイズ感も良し。本当の花瓶のように楽しめます」(多良さん)
食材は「冷蔵庫に入る分」だけ
「食べることが大好きです。家族で暮らしていたときはパンやケーキも手作りしていましたし、65歳で調理師免許も取得しました。食品の収納はなかなか大変なので『冷蔵庫に入る分だけ』を目安にしています。無駄を出さないメニューを考えているうちに、粗食になっていました」(多良さん)
朝食はいつも同じメニュー
たんぱく質不足を補う練り物をよく食べます
「朝はラジオ体操からスタートし、その後ウォーキングへ。この暮らしを15年続けています。家に戻ったら、プロテイン入りのスムージーで朝食を。夫が固形物を食べられなくなったときに孫からすすめられたのが、混ぜるだけで済むスムージー。りんごの皮や小松菜など、体に良いといわれているものを、私なりに組み合わせています」(多良さん)
取材・文/和栗 恵 撮影/林ひろし