「捨てたらOK」じゃない! やましたひでこさんの「断捨離から始める収納の法則」

「断捨離」という言葉とメソッドを生み出したやましたひでこさんが、収納の法則をご紹介します。「モノはただ捨てるだけではなく、厳選して生かす」「役割があるモノだけが収納されている」という本来の断捨離の考え方に基づいた片付け・収納の仕方です。

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断捨離から始める収納の法則

辞書によると収納の意味は「中に入れてしまっておくこと」。

でも断捨離の考える収納とは、そもそもしまい込むことではなくて「生かすこと」なのです。

それは全部その後使われることが前提で、収納の段階では出番を待っているだけということ。

収納の意味をもう一度考え直してみてください。

それにはまず、対象のモノを大きく3つに分ける「3分類の法則」から始めましょう。

モノを大分類から中分類へ、そしてさらに小分類へと3つに分けていきます。

分類に入らないモノは不要なモノ。

自分にとって必要な全体量が分かってくるはずです。

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靴箱を3分類した一例。小分類は、例えばパンプス、サンダル、ブーツに絞ることができる。この小分類の内容はそれぞれの持ち物、ファッションの好み、ライフスタイルなどによって変わる。

3分類の法則

《大分類》食器

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キッチンでいえばまず大分類は「食器」「調理器具」「食材」の3つ。この段階ではとりあえず各項目に入るモノをそれぞれ分けておく。

《中分類》皿、器、ドリンク容器

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大分類で分けた「食器」を、さらに3つに分類。大小の皿などの「皿」、茶碗や小鉢などの「器」、飲みものに関する「ドリンク容器」に分ける。

《小分類》カップ、コップ、ワイングラス

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「ドリンク容器」をさらに分けて何が必要かを知る。こうして3分類を繰り返し、小分類すれば多過ぎるモノを減らす目安になる。

7・5・1の法則

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キャビネットの上などに飾る場合は見せる収納1割の法則で。ゆったりとした空間の中で飾ると、モノが引き立つ。

空間に対するモノの目安として断捨離の法則があります。

それは(1)目に見えない収納(押し入れ、クローゼットなど)は全体の7割を目安に入れる。

(2)見える収納(ガラス戸棚など)は全体の5割を目安に入れる。

(3)そして見せる収納(キャビネットや棚の上など)は1割にとどめる。

見えない収納が7割なのは、残りの3割でモノの通り道を作るということになります。

空間に余裕があればモノが収納しやすく、出し入れもスムーズで使いやすくなるのです。

見える収納の5割はあくまでも外から見えることが前提。

空間が広くなるほどモノの美しさが引き立ちます。

ぎゅうぎゅうに詰め込んで、後ろにあるモノが見えない、などという状態では結果的に取り出しがラクにできず、不便で使いにくくなります。

見せる収納の1割は「美しい収納」の大原則。

モノを空間の主役になるように絞り込みます。

また、割合を1割にすることで、モノの価値もおのずと高まります。

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ハンガーの数で洋服の総数を規制。全てをいつも着る服だけに。ハンガーの間は空ける。バッグや帽子も厳選。

1 out 1 inの法則

欲しいモノを買ってから、いらなくなったモノを捨てようと思う方が多いと思いますが、「1つ出したら1つ入れる」、それが不要なモノをまず捨てる断捨離の基本的な考えです。

何よりoutが先になります。

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「この棚板に対して靴が多過ぎ。私は棚板を間引いて使っている」とやましたさん。靴が履けるかの「モノ軸」ではなく、自分が履きたいのかの「自分軸」で選べば減らせる。

写真上の靴入れの持ち主は断捨離チーフトレーナーでもある古澤貴子さん。

普通の靴入れから見ればかなりガラガラの棚板でも、やましたさんは「多過ぎ」と次々と最小限に整理していきます。

入れ替えをしないとモノはたまる一方。

不要なモノを捨ててからモノを取り入れます。

そして、手放すことが先になれば、inのときもよく考えて行動を起こすようになるはず。

始末を先に行うことで、その後の獲得も洗練されていきます。

まず3分類して同じような靴は処分。

履かない靴を取り出し、いま履きたいと思う靴だけを靴入れに入れるのです。

「私は1シーズン3足が基準です。まずout 、それからいまのあなたにとって本当に欲しいモノをinするようにしましょう」

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数を減らして見た目ももっときれいな靴入れに。古澤さんは仕事上パンプスが必要なので、多めに残す。

取材・文/細川潤子 撮影/原田 崇

 

<教えてくれた人>

やましたひでこさん

クラターコンサルタント。一般財団法人 断捨離(R)代表。ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常の片付けに落とし込み、提唱する。著書多数で日本だけでなく台湾、中国でもベストセラーを記録する。

この記事は『毎日が発見』2022年12月号に掲載の情報です。

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