「面倒くさい」をなくせる! 「断捨離」の生みの親、やましたひでこさんの片づけ・収納法

「断捨離」という言葉とメソッドを生み出したやましたひでこさんが、収納の法則をご紹介します。「モノはただ捨てるだけではなく、厳選して生かす」「役割があるモノだけが収納されている」という本来の断捨離の考え方に基づいた片付け・収納の仕方です。

【前回】「捨てたらOK」じゃない! やましたひでこさんの「断捨離から始める収納の法則」

ワンタッチの法則

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アクセサリーやスカーフは引き出しを開けてひと目で分かる量に。

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ドライヤーもさっと取り出せるよう余裕を持って収納。

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ハンガーは次の行動に移りやすいよう考えて収納。洗濯機のそばの引き出しに入れ、すぐに洗濯物を干せるように。

断捨離の考え方では、収納において大切にしているのは、モノを取り出す際のアクションをなるべく最小限にすること。

できればワンタッチで次の行動に移れれば「面倒くさい」という気持ちが生まれにくく、面倒だからやらない、という言い訳もきかなくなります。

例えば小袋入りの商品は箱を処分し、すぐに使える状態にしておきます。

ティーバッグも箱から出して、できれば小袋からも取り出しておくとワンタッチでお茶をいれられますね。

棚や引き出しの中も同じ。

引き出しを開けて、何があるかひと目で分かり、ワンタッチで取り出し、しまうことができれば快適です。

さらに次の動作に移れることまで頭に置いて収納すれば、もっといいでしょう。

モノを取り出す際のアクションはせいぜい扉を開けて取り出す、という2つまで。

その数は少ないほど居心地のよい空間をキープしやすくなります。

煩雑な手間は省き、動きをスムーズにすることが大切です。

そのためにはモノの数量の規制が何より必要ということになります。

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収納を見せてくださった断捨離チーフトレーナーの古澤さん。ニット類は畳んで、使っていないトランクに収納。

自立・自由・自在の法則

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収納は、たまには見せることまで意識すると楽しい。いつも使うまな板を窓辺に置いて、乾かしながら飾る。

間仕切りだらけではなく、全体に空間のゆとりがあれば、スムーズに出し入れできます。

収納するときも立てたり(自立)、運びやすく並べたり(自由)、丸めたり(自在)して、モノを思い通りに扱えるといいでしょう。

滞ると片付けたり、出し入れしたりする行動が面倒になり、心地よい空間を保つことが困難になりがちです。

形を意識的に整えていくことで、自立・自由・自在の感覚をつかむことができます。

そうすることで、モノに縛られず、清々しい気持ちで向き合えます。

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ブーツは立てて(自立)、すぐに履ける状態にしておくことが大切。

断捨離の収納場所は、いわば俳優が出番を待つ楽屋と同じ。

俳優は楽屋でこれから舞台に出る前に待機している状態ですね。

その空間はなるべく美しく快適である方がいいのではないでしょうか?

俳優をモノに置き換えれば、全部その後使われることが前提で、収納の段階では出番を待っているだけ。

その収納は取り出しやすく、しかも美しく収めておくと快適。

それが「モノを生かす収納」なのです。

モノはいまの自分にとって本当に必要かどうかを問う「自分軸」で選びます。

全てのモノに役割があれば、それを収納する空間もきれいですっきりさせたいもの。

自分がうっとりできる空間になるような収納を目指しましょう。

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普通は片側に寄せてそのすき間にモノを詰め込みがち。真ん中に置いてすっきり使う発想こそ自在。「面倒くさい」をなくせる! 「断捨離」の生みの親、やましたひでこさんの片づけ・収納法 2212_P015_04.jpg

取材・文/細川潤子 撮影/原田 崇

 

<教えてくれた人>

やましたひでこさん

クラターコンサルタント。一般財団法人 断捨離(R)代表。ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常の片付けに落とし込み、提唱する。著書多数で日本だけでなく台湾、中国でもベストセラーを記録する。

この記事は『毎日が発見』2022年12月号に掲載の情報です。
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