血管年齢を若返らせよう! 医師・鎌田實さんが血流を改善する「グーパー運動」や「呼吸法」を紹介

定期誌『毎日が発見』で好評連載中の、医師で作家の鎌田實さん「もっともっとおもしろく生きようよ」。今回のテーマは「血管年齢を若返らせよう!」です。

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体が温まるシナモンジンジャーティー

最近よく、シナモンとショウガをたっぷり入れた紅茶を飲んでいます。

毛細血管の循環がよくなり、体がほかほか温まります。

簡単にシナモンパウダーやチューブのショウガでも作れますが、ちょっと本格的に、シナモンスティックを2cmほどに切り、生のショウガを薄く刻んで鍋で煮だし、それに紅茶を入れて作ります。

はちみつを入れてもおいしいです。

シナモンやショウガには、抗酸化や抗慢性炎症作用があって、血管を若返らせる成分があるといわれているため、一日一度はこのお茶で一息ついています。

そう、今回は、血管を若返らせるコツについてお話ししましょう。

血管の長さは、地球2周半

血管は、体中に張り巡らされています。

すべての血管の長さを合わせると10万km、地球2周半にも及ぶというから驚きです。

そう考えると、血液の旅というのは、長大な旅といえますね。

その血管の9割は、毛細血管といわれています。

太さ1000分の7mmという、髪の毛よりもはるかに細い血管ですが、体中の細胞に酸素や栄養を運び、老廃物を回収するという大切な役割を果たしています。

この毛細血管が老化などでうまく働かないと、冷えやむくみ、肩こり、便秘といった症状が起きてきます。

肌の老化の原因の一つも、毛細血管の老化です。

皮膚の下にある毛細血管が老化して、細胞に酸素や栄養が届かず、老廃物を回収できないため、シミやたるみができるのです。

血流が消える"ゴースト血管"に注意

特に注意したいのが、"ゴースト血管"といわれる症状です。

毛細血管はあるのに血液が流れず、画像検査では血管が消えたように見えることから、「ゴースト」(幽霊)といわれています。

腎臓は、血液中の老廃物や塩分を、おしっことして体外に排出する働きをしていますが、この働きを担っているのが糸球体というところです。

糸球体は毛細血管が毛糸の球のように丸まってできていますが、この毛細血管がゴースト化すると、腎機能が低下し、いずれは人工透析などの治療が必要になります。

毛細血管の老化は、認知症にもかかわっています。

脳へとつながる血管の入り口には血液脳関門という関所がありますが、この部分の毛細血管が老化すると、脳の老廃物であるアミロイドβベータを回収できなくなり、アミロイドβが脳細胞にシミとして沈着していきます。

このシミがアルツハイマー病の原因になると考えられています。

小さな毛細血管の老化ですが、とても大きな影響をもたらします。

怖いですね。

健脳ドリルで脳寿命を延ばす

『鎌田實の大人のわくわく健脳ドリル101』(二見書房)が上梓されました。

好評につきシリーズ第3弾です。

101問の脳トレに加え、生活術や運動法も紹介。

さらに、無料でオンライン講座も受講できます。

今回の特集は、「鍵は自律神経の活性化」。

自律神経を活性化させることによって、毛細血管を拡張して認知症を予防します。

ぜひ健脳ドリルに挑戦してみてください。

血管を若返らせるカギは、一酸化窒素

血管の老化を防ぐために最近、注目されているのが一酸化窒素(NO)です。

一酸化窒素というと大気汚染などの有害物質というイメージがありますが、体内では血管を若々しく保つのに欠かせない物質です。

NOは、運動などによって血管内皮細胞で作りだされ、血管を拡張して血圧を下げてくれたり、血管を柔らかくしなやかにして、動脈硬化になりにくくしてくれます。

1998年のノーベル医学・生理学賞は、こうした血管でのNOの働きを発見した薬理学者3人に授与されました。

NOは、ウォーキングやスクワットなどのおなじみの運動をすることで増やすことができます。

この後紹介するグーパー運動のように、血管を締め付けて血液の流れを一時的に制限した後、一気に解放して流れをよくすると、NOは効率的に増えると考えられています。

具体的に、どんな運動がいいのか、いくつか紹介しましょう。

≪グーパー運動≫

手をグーにして、10秒ほど強く握り、パッと力を抜いてパーの形にします。

これを繰り返します。

入浴中、湯船に浸かりながらやるのもおすすめです。

血管の制限と解放、緊張と緩和が大事です。

≪腹式呼吸≫

(1)鼻から3秒間、息を吸います。このとき、できるだけおなかを膨らませ横隔膜を下げます。

(2)3秒ほど息を止めます。

(3)その後、7秒かけてゆっくりと口から息を吐き出します。

おなかをへこませ、おへそが背中にくっつくイメージで横隔膜を上げていきます。

横隔膜の周りには副交感神経が密集していますので、腹式呼吸で横隔膜を上下に動かすと、副交感神経が刺激され、NOが増加します。

血圧も下がります。

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≪片鼻呼吸≫

(1)指で左の鼻の穴を塞ぎ、右の鼻だけで3秒間息を吸い込みます。

(2)指で両方の鼻の穴を閉鎖して、3秒間呼吸を止めます。

(3)今度は指で右の鼻の穴だけを塞ぎ、左の鼻だけで7秒間息を吐き出します。

(4)吐き出し終わったら、そのまま左の鼻から3秒かけて息を吸います。

(5)両方の鼻の穴を塞いで3秒間息を止め、

(6)今度は右の鼻だけで7秒間息を吐き出します。

これを繰り返すことで、交感神経と副交感神経の両方を刺激すると同時に、鼻の毛細血管にNOが増えるといわれています。

毛細血管の老化は、ストレスや運動不足、高脂血症、糖尿病などでも進みやすくなります。

生活習慣で、これらの要因を取り除きながら、NOを増やす運動を心がけましょう。

小さな毛細血管の健康は、きっと大きな効果をもたらしてくれるはずです。

《カマタのこのごろ》

「登紀子の『土の日』ライブVol.21『ウクライナに愛を』」。歌手の加藤登紀子さんが、ウクライナの歌姫ナターシャ・グジーさんと鎌田をゲストにYouTube Liveを配信しています。ぜひご覧ください。ぼくが代表をしているJCFのウクライナ支援に共感し、おトキさんがチャリティCDアルバムを作ってくれました。「果てなき大地の上に」「声をあげて泣いていいですか」等の新曲が入った素敵なCDです。利益はすべてウクライナ支援に使われます。ぜひ聴いてください。

 

<教えてくれた人>
鎌田 實(かまた・みのる)さん

1948年生まれ。医師、作家、諏訪中央病院名誉院長。チェルノブイリ、イラクへの医療支援、東日本大震災被災地支援などに取り組んでいる。『だまされない』(KADOKAWA)など著書多数。

支援の窓口はこちら

日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)ホームページ

電話:0263-46-4218

 

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60代からはソロで生きる ちょうどいい孤独

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書店で販売中です。1,540円(税込)

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『医師が考える 楽しく人生を送るための簡単料理 鎌田式 健康手抜きごはん』

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新型コロナウイルスにより、人々や社会の価値観は大転換する。災害も含め苦難の多い時代、それでも、私たちは幸せになれる。コロナに負けない生き方、新しい幸福の形とは? 第2波、第3波、そして災害への心の準備は万全ですか?

■「認知症予防」をもっと詳しく知りたい人は!

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「図解 鎌田實医師が実践している 認知症にならない29の習慣(朝日出版社)

今回、鎌田先生が紹介してくださった「認知症予防」が詳しく解説されている最新刊! 医学的に正しい認知症予防の方法が、豊富なビジュアルとともに紹介されています。
「速遅(はやおそ)歩き」「青魚、えごま油、高野豆腐を食べる」「新聞から4つの単語を選ぶ」など、無理なく日常生活で実践できる習慣がわかりやすく解説されています

この記事は『毎日が発見』2022年7月号に掲載の情報です。
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