アボカドの食べごろは「色」と「ヘタ」「硬さ」で見分ける! 冷蔵や冷凍保存方法も紹介

濃厚でクリーミーな味わいが特徴のアボカドは、「森のバター」といわれるほど栄養価が高く、健康にも美容にもおすすめの果物です。ひとつ気になるのは食べごろの見極めが難しいこと。そこで、スーパーなどで購入する際に食べごろのアボカドを見分ける方法を紹介します。切ってみたら、まだ食べごろではなかったアボカドの保存方法や利用方法も紹介しますので、参考にしてみてください。

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アボカドとは? 栄養価が世界一高い果物

アボカドは、「世界一栄養価の高い果実」としてギネスブックに登録されているほど、栄養価の高い果物です。

日本食品標準成分表によると、アボカドの脂肪分は100gあたり19gと、じつに果肉の約20%が脂肪分になります。

脂肪といえば太りそうなイメージがありますが、アボカドの脂肪のほとんどは血中コレステロールを適正に保つ働きを持つ「オレイン酸」です。

また、血液中の中性脂肪を下げる作用があるとされる「リノレン酸」も含まれています。

さらに糖質が低く、水溶性食物繊維を豊富に含むダイエットにもおすすめの果物なのです。

ちなみに、スーパーなどでわたしたちが目にするアボカドは、主にメキシコからの輸入品です。

防疫上の理由により、現地で熟す前に収穫され、日本へと運ばれます。

アボカドには「ハス」「フエルテ」「ベーコン」「クリオージョ」などさまざまな品種がありますが、輸入されるのはハス種のみ。未熟状態のハス種は皮が固く、害虫による食害を受けないためです。

ちなみに、日本でも和歌山県や愛媛県などでアボカドが生産されていますが、その量は少なく、市場に出回るほどではありません。

食べごろのアボカドを見極める方法

収穫時には緑色をしているハス種のアボカドは、熟すにつれて皮が黒っぽくなっていきます。

すぐに食べるなら、なるべく黒いものを選ぶと良いでしょう。

ヘタの周囲に触れてみて、耳たぶくらいの柔らかさであれば食べごろです。

ただし次のような状態のアボカドは、熟しすぎていたり傷んでいたりする可能性があるため、避けてください。

  • ハリや弾力がない
  • 皮にシワが寄っている
  • 皮が果肉から浮いている
  • ヘタが取れている
  • ヘタの周囲にすき間がある

すぐに食べるのでなければ、それほど黒くなっていないアボカドを選んで追熟を待ちましょう。

アボカドを追熟させる方法
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追熟とは、果肉を柔らかくしたり甘さを増したりするために、あえて収穫してから一定期間おくことをいいます。

「完熟してから収穫すれば良いのでは?」と思いますよね。

じつは果物には、樹上で成熟するタイプと、そうではないタイプがあります。

後者を「クライマクテリック型果実」といい、成熟させるには追熟が必要なのです。

アボカド、キウイフルーツ、バナナ、りんごなどのクライマクテリック型果実は、収穫されてから呼吸量が急増し、自身が放出するエチレンガスによって成熟します。

追熟に適した気温は18~24度ほどで、27度以上では傷みやすくなり、5度以下では低温障害(果肉の変色など)を起こします。

追熟を早めたい場合は、エチレンガスの放出が多いクライマクテリック型果実(キウイフルーツ、バナナ、りんごなど)と一緒にポリ袋に入れておくと効果的です。

反対に少し日持ちさせたい場合は、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。

このとき、アボカドを1個ずつラップで包んでおくと、冷気による乾燥を防げます。

保存の目安は4~5日ほどです。

なお低温障害を避けるために、野菜室の温度設定も確認しておきましょう。

■今すぐ柔らかくしたいなら「電子レンジ」で加熱する

固いアボカドは、電子レンジで加熱すると柔らかくなり、すぐに食べられます。

ただし追熟とは違って、単に果肉を柔らかくするだけなので、甘さや濃厚さが増すわけではありません。

青臭さが強いため、グラタンなどの具材にするか、つぶしてディップソースにするのがおすすめです。

固いアボカドを切ってしまった! このまま保存できる?
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アボカドを切ってみてまだ固いと感じた場合は、バナナやりんごなどと一緒にポリ袋に入れ、常温でしばらく様子をみてください。

アボカドをラップで包む必要はありません。

果肉の変色を防ぐために、切り口に少量のレモン汁をたらしておきましょう。

レモン汁がない場合は、酢かオリーブオイルでも代用できます。

エチレンガスの放出が多い果物と一緒にして室温20~25度程度の場所に置いておくと、追熟が早く進みます。

こまめに状態を確認して、食べごろを逃がさないようにしてください。

■より長期保存したいなら冷凍保存もできる

完熟状態のアボカドは、冷凍庫での長期保存が可能です。

丸ごと冷凍した場合は約1カ月、切り分けて冷凍した場合は2~3週間を目安に消費しましょう。

なお、小分けにした方が便利に使えるため、ここでは切り分けて冷凍する手順を紹介します。

1. 皮と種を取り除き、薄切りにしてレモン汁をかける
2. 食べやすい量に分けて、重ならないようにラップに並べる
3. なるべく密着するようにラップで包み、冷凍用保存袋に入れる
4. 袋から余分な空気を抜いて、冷凍庫で保存する

冷凍したアボカドは自然解凍で食べられますが、生のときよりも食感は落ちるため、加熱調理やディップソースに使うのがおすすめです。

切ったらアボカドの果肉に黒い筋! これって腐ってるの?
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アボカドの果肉に、黒い筋状の模様が出ることがあります。

この正体は、種に栄養や水分を送るための「維管束」という組織です。

維管束は酸化しやすく、果肉に含まれるポリフェノールと反応してメラニンが生成された結果、黒い筋となって現れます。

熟成が進んだサインであり、腐っているわけではないので安心してください。

なお、低温障害で変色することもあります。

気になる場合は、黒くなっているところを包丁でそぎ落とすと良いでしょう。

ただし、次のような状態のアボカドは食べられません。

残念ですが処分してください。

  • 異臭がする
  • 果肉全体が変色している
  • 白いカビのようなものが出ている

食べごろを見分けて、栄養価の高いアボカドをおいしく味わおう!

アボカドは、食べごろを見極めるのが難しい食材です。

しかしながらポイントを押さえれば、食べごろかどうかを見分けられるようになり、切ったときに固すぎたり熟しすぎたりといった事態が回避できます。

すぐに食べない場合は、冷蔵庫や冷凍庫での保存も可能です。

アボカドのおいしさを存分に味わうために、今回紹介した見分け方や保存方法を役立ててください。

※記事中で紹介している保存期間は目安です。保存状態などにより異なる場合もありますのでご注意ください。

 

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