物置部屋の片づけ法。収納のコツは「定期的な見直し」にあり/快適に変える収納レッスン

リビングの細かいモノこそ、所在を明確に

 食卓の端にモノが溜まってしまいます。郵便物を入れるトレイがあるのでそこによけるのですが、トレイを家具の下に入れ込むと見返さなくなってしまいます。DMの情報が古くなっていたり、納税がぎりぎりになってしまったり。

本多 トレイを足元に置いてしまうと、見えなくなるので忘れてしまいます。家具の下ではなく、上に置いたらどうだろう? ここなら手を伸ばせば出し入れできるので、テーブルにモノが溜まることもなくなるし、処理忘れを防げると思います。

 なるほど。隠さないほうがいいのか。

物置部屋の片づけ法。収納のコツは「定期的な見直し」にあり/快適に変える収納レッスン 175-006-044.jpgこの新居に合わせて買ったお気に入りのチェスト。(1)ここで使うモノを(2)わかりやすく入れると便利です

本多 このチェスト、可愛いですね。中には何を入れているんですか?

夫妻 なんだろう......電池とドライバー、文具と......よくわからないものたち。

本多 ここは食卓から手が届く一等地なので、よく使うモノを集めたらすごく便利だと思います。たとえばさっき、廊下の収納に母子手帳があるのを見せてくれました。ああいうものこそ、この引き出しではないでしょうか。

 たしかに! 病院に行く準備をするときに、わざわざ廊下に取りに行くのが面倒だったんです。帰ってきたらリビングでかばんから出すから、また廊下にしまいに行かなくちゃいけないし。

本多 せっかくだから、チェストをもっと活用しましょう。まずは、ここに何を置いたら便利か洗い出してみてください。そしてここに入っているモノは、一度全部出すことが大切です。引き出しを出すというより、中身を出すこと。

そして「同じ引き出しに入っていたら便利だな」というモノ同士で、チーム分けしてみてください。引き出しは12個あるから、12チーム作れます。たとえば、レターセットと切手とか。「文具はここ」と集約するのもいいのですが、絶対に一緒に使うとわかっているものは、引き出しをひとつ開ければ済むようにするととてもラクです。

深さのある引き出しだからモノを立てても入れられるし、日用品の収納には便利に使える家具だと思います。一等地なので、ここにしまっておく必要がないモノは廊下の収納などに移しましょう。また、引き出しの数が多いと「どこだっけ」となりがちなので、ラベリングするとより使いやすいですよ。デザイン的に抵抗があったら、タグを取っ手に吊るすというのもよいかも。

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本多さおり(ほんだ・さおり)
生活重視、ラク優先の整理収納コンサルタント。暮らしをラクに回す工夫に日々想いをめぐらせて、心地よい暮らしを探求している。夫、長男(5歳)、二男(3歳)の4人家族。2019年に中古マンションを購入し、家事がラクで家族みんなが暮らしやすい家を目指してフルリノベーションした。

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『今の暮らしを快適に変える収納レッスン』

(本多さおり/宝島社)

人気整理収納コンサルタント・本多さおりさんが、5軒のお宅をコンサルティングした実際のやりとりを収録。暮らしのお困りごとに対して、具体的なテクニックや考え方を対話形式で紹介しています。詰まっているのは、多くの人にとって参考になる「収納の知恵」。本多さん自身が最近取り入れた収納の工夫や、テクニックや段取りの背景にある哲学もつづられています。

※この記事は『今の暮らしを快適に変える収納レッスン』(本多さおり/宝島社)からの抜粋です。
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