のべ8000人以上を指導したメンタルコーチ・新井慶一さんは、仕事や人間関係、恋愛、さらにはお金まで「99%の人が会話で損をしている」といいます。会話がうまくなれば人生は好転するという新井さんの著書『100%得する話し方』(すばる舎)には、その極意「相手に9割話させる話し方」のメソッドが盛りだくさん。今回はその中から、厳選したヒントを連載形式でお届けします。
「それ、素敵です!」は、相手が確実にいい気持になるパワーワード
「それ素敵です!」です。
このパワーワードの使い方はとっても簡単です。
その人の姿を見て、目に入ってきた「素敵だな」と思うところを褒めるだけです。
例えば、
「吉本さん、脚が長くてスーツが素敵です!」
「藤井さん、ヘアスタイルがおしゃれで素敵です!」
直接、その人の見た目を褒めるのが恥ずかしければ、持ち物でもOKです。
「山本さん、そのバッグが素敵です!」
「工藤さん、その靴、素敵ですねー!」
「久米さん、そのiphoneケース、素敵ですね!」
何でもいいのです。
パッと見て印象に残ったところを褒めましょう。
見た目を褒められて、嫌な気分になる人は皆無です。
持ち物も同じです。
その人の持ち物を褒めるということは、「その持ち物を選ぶあなたのセンスが素敵です」と言っているのと同じです。
ですから、確実にいい気持ちになってもらえます。
実際に声に出して、「それを選ぶセンスが素敵です!」と言ってしまうのも効果的でしょう。
とはいえ、これまで人の見た目を気にしたことがなかったとか、見た目を褒めるなんてハードルが高いという人もいると思います。
なかには、「○〇さんの褒め方ってわざとらしい」と言われて、苦手意識のある人もいるでしょう。
そういう人は、まず「素敵だなと思うところを見つける訓練」をしましょう。
人に会ったとき、見た目で素敵だなと思う部分を見つける練習をするのです。
これもひとつの宝探しです。
人のいいところを見つける、トレジャーハンターの気分になってやってみてください。
最初はそれを口に出せなくても結構です。
訓練を続けていくと次第に、それを伝えたい気持ちがむくむく湧いてくるはずです。
相手の「変化」に気づいて褒めると、効果は2倍
「それ、素敵です!」に慣れてきたら、さらにレベルアップしましょう。
見た目を褒めることは同じなのですが、人の「変化」に着目して褒めるようにする技です。
これを操れるようになると、まさに褒めの達人になれます。
「先日のバッグも良かったですが、今日のバッグも、素敵ですねー」
「川北さん、いつもおしゃれですけれど、今日のピアスも素敵ですねー!」
「小林さん、髪型、変えたんですね。とても似合っていて素敵です!」
といった具合です。
この褒め方の最大のポイントは、「変化」に焦点が当てられているということです。
「変化に気づいて言葉にする」ということは、その人に興味があってしっかり見ていますよ、ということを相手に伝える行為でもあります。
また、今回だけではなく、前回の自分も注意深く見てくれていたという証拠ですから、相手にとって二重の好感しかありません。
ですから、とても効果的です。
ただ、これをやる上で、絶対に欠かせないことがあります。
それは、前回の見た目を鮮明に記憶しておくこと。
しかし、これが結構難しい。
例えば、私のような記憶力が怪しい人間は前回お会いしたときの服装など、まったく覚えていません。
そこで私はあるアイデアを思いつきました。
誰かと会ったときはできるだけ写真を撮らせてもらうようにしたのです。
まず「お会いした記念に1枚撮らせてもらえませんか」という具合に集合写真を撮らせてもらいます。
そして、次にその人に会うときは、前の写真を見返してから会うようにするのです。
そうすると、写真を見比べて「違い」がわかるようになりますから、お会いしたときに「変化」を褒められるようになります。
ここで、私が写真を撮影するときにこっそりやっている秘密のテクニックをお伝えしちゃいましょう。
誰かと写真を撮るときには、できるだけお相手の方が綺麗に写るように意識することです。
例えば、一番綺麗な光の場所に相手に座ってもらうとか、自分のほうが少し前に出て、わざと自分の顔が大きく見えるように写るのです。
そうすると、相対的に相手の方の顔のほうが小さく見えるので、とくに女性には喜ばれます。
以上、上級テクニック的なところもありますが、上級なだけに、喜ばれ度合も半端ありません。
ぜひ試してみてください。
【得する人がやっている話し方】
「見た目」を褒めることは、「いいところ」を見つけて褒めるのと同じくらい重要
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