選挙コンサルタントの予想は? 知っておきたい「衆議院解散総選挙」3つのタイミング

2021年に必ず行われる衆議院の総選挙。新型コロナウイルスの影響で今までの生活が一変したウィズコロナ時代に、国政選挙はいつ、どのように行われるのでしょうか。ジャッグジャパン代表取締役で選挙コンサルタントの大濱﨑卓真(おおはまざき・たくま)さんに「衆議院解散があり得る3つのタイミング」を聞きました。

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2020年9月に誕生した菅義偉(すがよしひで)内閣。

その動向として注目されているのが、21年に任期満了を迎える衆議院議員の総選挙です。

選挙コンサルタントの大濱﨑卓真さんは、「いま政治家たちが気にしているのは、どのタイミングで菅首相が衆議院の『解散総選挙』を行うのか、という点です」と話します。

この「解散総選挙」とは、なぜ行われるものなのでしょうか。

国会は衆議院と参議院の二つから成り立つ両院制。

参議院議員の任期は6年で、3年ごとに半数を改選します。

一方衆議院議員の任期は4年で、選挙では全議員が改選されるため、衆議院の選挙は「総選挙」と呼ばれています。

その衆議院の大きな特徴が「解散」なのですが、大きく分けて二つの場合に行われます。

衆議院で内閣不信任案が決議されたにもかかわらず内閣が総辞職しない場合と、内閣が重要な政策を進める際に国民の意思を確認したい場合です。

事実上首相が衆議院解散の決定権を持っていて、この衆議院解散からの総選挙を「解散総選挙」と呼びます。

今回、衆議院議員の任期満了日は、21年10月21日です。

任期満了時点での総選挙もあり得そうですが、「任期満了まで待つと、その直前に与党にとって思いもよらないスキャンダルが起きた時に選挙日程を後ろ倒しにするなどの調整ができなくなります」と、大濱﨑さん。

さらに「任期満了まで待つと、首相や内閣の力が弱く解散という選択をできなかったため『追い込まれ解散』になった、と有権者に受け止められかねず、与党にとっては不利です」と続けます。

衆議院の任期満了による総選挙が行われたのは現在の日本国憲法下では1976年の一度しかなく、この時与党だった自民党は実際に、苦戦を強いられました。

「菅首相も2021年の衆議院の任期満了前に、解散総選挙に打って出る可能性が高いでしょう。1月の通常国会冒頭での解散も考えられましたが、難しそうです。いま、そのタイミングは3つ考えられます」(大濱﨑さん)

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上の図を見てみましょう。

21年度予算が衆議院を通過して成立する4月、通常国会閉会直前の6月、東京五輪も終わり任期満了が近づく9~10月の三つのタイミングです。

「なかでも4月か9~10月の可能性が高いですね」と、大濱﨑さん。

続けて「4月だと、菅首相が進める独自の政策にも予算が付いて実績となり、選挙が戦いやすくなります。また、9~10月だと、菅首相の自民党総裁の任期が9月末なので、このタイミングで解散総選挙を戦い勝てば、自民党総裁選でも対抗馬がいなくなり再選の可能性が高まります。またいまは新型コロナの影響もあるので『追い込まれ解散』との印象も持たれにくいです」と、説明します。

「この先、内閣支持率が劇的に改善されることは考えにくいですが、野党にも攻め手がなく、与党の失策を突く選挙戦になっていきそうです。また、コロナが収束していない状況だと給付金などの経済政策、ある程度収束していればコロナ対策の評価も争点になるでしょう」(大濱﨑さん)

菅内閣になって初めての全国規模の国会議員選挙。

どのタイミングであろうと、大きな注目を集めるのは間違いありません。

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取材・文/仁井慎治 イラスト/やまだやすこ

 

<教えてくれた人>
ジャッグジャパン 代表取締役 選挙コンサルタント
大濱﨑卓真(おおはまざき・たくま)さん
1988年生まれ、東京都出身。2010年より、「選挙を科学する」をテーマに選挙コンサルタントとして活動を始める。朝日新聞社の言論サイト「論座」に政治、選挙に関する連載を寄稿中。

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この記事は『毎日が発見』2021年1月号に掲載の情報です。

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