「ありがとう」や「助かります」は習慣に。好かれる人になるための「気遣いの言葉」

誰もが抱える仕事や人間関係の悩み。キャビンアテンダントでの経験から人材教育の講師に転じた三上ナナエさんは「全ては気遣いでうまくいく」と言います。そこで、三上さんの著書『仕事も人間関係もうまくいく「気遣い」のキホン』(すばる舎)から、自分の魅力をアップし、対人関係もスムーズにする気遣いスキルを連載でお届け。自信をつけて「相手から信頼される気遣い」を身につけてみてはいかがでしょうか。

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感謝の言葉を惜しみなく

医療関係で働いている友人の話です。

日本の外科医でいわゆる「ゴッドハンド」と言われる名医と仕事をしたそうです。

その人は、明らかに他のドクターと違うところがあると言っていました。

それは、医師や看護師などチームスタッフの一つひとつの行動に対して、必ず一言声をかけているということでした。

「ありがとう」

「そうそう」

「いいね」

「素晴らしい」

「さすが」

短い言葉だけれど、そのおかげで、緊張しやすい手術室の中でもスタッフは自信を持って行動でき、スムーズに手術を進めることができるとのこと。

手術はチームプレー。

執刀医の腕はもちろん大事だけれど、チーム一人ひとりのパフォーマンスが上がらないと良い結果に結びつきづらいものです。

「もっと何かしてあげたい」に繋がる一言

ビジネスシーンにおいても、仕事がスムーズに進む人の行動の特徴として、「何かをしてもらったら気遣いの言葉をかける」ことが挙げられます。

相手に対する感謝の気持ちをしっかり言葉にして伝えられる人、と言い換えることができそうですね。

会社の受付の仕事をしている友人は、「信頼できる人は、とにかく受付の人にも感じが良い」と言っていました。

何かするたびに、

「お手数をおかけします」

「よろしくお願いします」

「恐れいります」

「助かります」

「いつもありがとうございます」など、必ず一言「気遣いの言葉」を言ってくれるそうです。

誰しも、お礼を言われると「もっと何かしてあげられることはないかな」という気持ちになるものです。

ほんの些細な一言かもしれませんが、あるかないかで印象は大きく変わります。

普段からの習慣にしよう

このような「ちょっとした一言」というのは、ビジネスシーンだけで発しようとしてもなかなかできるものではありません。

「一言加えるくらい、意識すれば簡単だろう」と頭では思っていても、意外と咄嗟には出てこないのです。

やはり、普段からの習慣が大切。

たとえば、カフェに行ったとき、お店の人に声を出してお礼を言う。

銀行などで対応してくれた人に感謝を伝えるなど、普段から意識して行うことで自然に言葉が出てくるようになります。

相手が自分のために動いてくれたことに対する感謝の気持ち。

そして、それを言葉で表現すること。

それは、普段の生活から意識することで身についていきます。

その積み重ねによって、相手は自分に好意を持ってくれる。

そして自分を慕い、また協力してくれる。

ビジネスの良いサイクルに繋がっていくのです。

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元ANAのCAで4500回のフライトを経験した著者が会話や見た目などシーンごとに使える37の気遣いのコツを全5章で解説します

 

三上ナナエ(みかみ・ななえ)
大学卒業後、ANA(全日本空輸株式会社)に客室乗務員として入社。チーフパーサーなどを経験し、後輩指導にも当たる。ANAを退社、現在はセミナー講師として活動中。接客・接遇・コミュニケーション力向上セミナーなど、官公庁や商社、大学など多数で採用され、受講者総数は14000人以上。年間80社以上の企業研修を任されている。

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『仕事も人間関係もうまくいく「気遣い」のキホン』

(三上ナナエ/すばる舎)
「気がきく人」に生まれ変われるための気遣いの37のコツを紹介しています。会話や声色、身だしなみも元CAの気配りテクニックを使えば、対人関係も仕事もスムーズにいくはず。簡単なコツなので、読んですぐの実践も可能。これで一目置かれる気遣い上手になれるはず。

『仕事も人間関係もうまくいく「気遣い」のキホン』(三上ナナエ/すばる舎)からの抜粋です。
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