夫婦のこと、老親との関わり、子どもの成長、自身の体調の変化...50代はまだまだ悩みや迷いが多い年代ですよね。そんな50代こそ、大人の「ひとり時間」を充実させて自分らしく輝きませんか? 毎日が発見ネットの連載でもおなじみ、中道あんさんの著書『50代、もう一度「ひとり時間」』(三笠書房) より、「50代からの人生を心豊かに過ごすためのヒント」を連載形式でご紹介します。
介護とお金、私の場合
78歳の母は、有料老人ホームに入居しています。
母は精神的に少し不安定なところがあり、ちょっとしたことでヒステリーを起こして「死んでやる」と暴れたり、お酒や薬を飲みすぎる危険行為に及ぶことがありました(今は管理されています)。
以前は父がよく面倒をみていてくれたのでしょうが、父が亡くなって一緒に暮らしてみると、母の行動に振り回されるようになりました。
また、糖尿病の持病があり、年齢的に当然ですが、足元がおぼつかないところもあります。
そこで心療内科の先生にも相談し、要介護認定を受けると、「要介護2」と認定されました。
親の介護は待ったなし
正社員として働きながら、介護の必要な母の面倒をみることは不可能です。
そこで、施設にお願いしようと決めたとき、特別養護老人ホームは「要介護3」からしか入居できないので、必然的に、有料老人ホームが対象になりました。
母の入居した施設はごく一般的な施設で、そこでかかる生活費は、入居費・食費・介護費用(1割負担)・光熱費・オムツ費用・調剤薬局費用・雑費・美容費などと小遣いです。
すべて合わせると、月に約22万円になります。
それに加えて、病院の通院費、実家の固定資産税と火災保険、実家の光熱費の基本料、互助会費などで月3万円も必要なのです。
施設の費用と合わせて25万円。
母の老齢年金と遺族年金を合わせても足りません。
不足分をどうやって捻出すればいいのか、はじめは実家を処分して不足分に当てようかと悩み、しばらくは私のお財布から出すことで対応していました。
その後、運よく実家を借りてくれる人が見つかり、今はその家賃収入で不足分をまかなっています。
あるリサーチによると、介護費用を介護を受ける本人の負担だけでまかなえている家庭は約半数だそうです。
残りは、必然的に子どもが負担することになります。
親の介護問題が現実となるころは、子世帯では孫世代の学費が家計を圧迫する時期。
子どもの友人のなかには、祖父母の介護費用のため、自分の学費の面倒を両親にみてもらえなくなったという子もいるようです。
親の介護は、突然やってきます。
わが家もそうでした。
そこからは、大慌てで施設を探したり、医師に相談しに行ったり、十分に準備する間もなく介護生活に突入してしまいました。
「うちの親はまだ元気だから」という方も、今のうちに親の懐具合を把握しましょう。
もし介護が必要になった場合、誰が面倒をみて、どのように費用を捻出するのか、じっくり家族で話し合っておくことをおすすめします。
親の介護は本当に大変なものですから。
アラフィフブロガーの、大人の「ひとり時間」を楽しむ心豊かな暮らしが綴られた一冊