40代、年収250万円でも心は強く...。アラフィフブロガー・中道あんさんの「おひとり様」への決意とは

夫婦のこと、老親との関わり、子どもの成長、自身の体調の変化...50代はまだまだ悩みや迷いが多い年代ですよね。そんな50代こそ、大人の「ひとり時間」を充実させて自分らしく輝きませんか? 毎日が発見ネットの連載でもおなじみ、中道あんさんの著書『50代、もう一度「ひとり時間」』(三笠書房) より、「50代からの人生を心豊かに過ごすためのヒント」を連載形式でご紹介します。

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「生涯現役」を決める

20代で結婚してから夫と別居するまでの22年間、ほぼ専業主婦だった私。

夫はまじめで、ある程度稼いでいたので、お金に苦労することはありませんでした。

子どもの教育費を思いどおりにかけ、お洒落やママ友との付き合いも満喫しつつ、適度に国内、海外に旅行もしていました。

そんな生活が「普通のこと」だと思っていたのです。

けれども、そんな自分の生き方に疑問を持ち始めたのが40歳のころ。

友人の紹介で、病院でパートを始め、働く女性たちと接するようになって、「自分には何もない......」と痛烈に感じてしまいました。

夫に頼らず、自分も働く!

妻として、母としてそれなりに頑張ってきたけれど、振り返ってみると、「○○さんの奥さん」「△△ちゃんのお母さん」という誰かの付属品のような肩書きしかない。

そんな自分に空しさを感じて、「ひとりの大人として自立したい」という思いが頭をよぎるようになる......。

そんなふうに、自分の人生について改めて考えるようになりました。

2008年9月に起こったリーマンショックで、夫の年収は100万円減少。

翌年は200万円減少。

それなのに、3人の子どもにかかる教育費はピーク、2008年は年間500万円弱が、翌年は350万円が必要でした。

夫に相談すると、「不測の事態に対応できない生活をしていた、あんたが悪い」「なんで、ぼくがお金を渡さなくちゃいけないのか」......などと言われました。

年に百数十万円を自由に使っていた夫でしたが、「お小遣いを減らして家計の足しに」という考えがまったくなかったのです。

たしかに、今まで十分な生活を送ってきて、困ったらすぐに夫に頼るのでは虫がよすぎます。

そこで改めて、「何かあったとき、夫に頼るしかない自分は嫌だ」「自分の足で立てるようにしよう!」と一念発起。

翌年の春、一番下の娘の中学入学に合わせ、それまで5年間ほど続けていたパートを辞めて、正社員として働く決心をしたのです。

そのとき、私は45歳でした。

夫への不信感がきっかけに

パートでは、医療系卸会社との交渉や調整などを担当していたので、当初は就職もその経験を生かして......と考えていました。

しかし、パートの経験しかない40代半ばの女性に、希望どおりの仕事があるはずもありません。

とはいえ、働かないと自立は不可能です。

そこで、ハローワークで最初に紹介していただいた調剤薬局に、「これも縁だから」と入社を即決しました。

仕事内容は、おもしろみのない単純な事務作業ばかりです。

さらに、毎日、目の回るような忙しさなのにもかかわらず、お給料はスズメの涙ほど......。

でも、大変じゃない仕事、不満がない仕事はありませんよね。

「働くのは、大変なこと。自分で選んだ道なのだから」と言い聞かせて、少しでも何かやりがいを見つけて、職場で打ち解けられるように努力しようと決めました。

そんなある日、自宅を掃除中に〝別居の原因となるもの〟を見つけてしまったのです。

不思議と悲しみは感じませんでした。

今考えると、すでに夫への気持ちは冷めていたのだと思います。

それよりも「これからのこと」で、頭はいっぱいに。

その瞬間、「自分の足で立てるようにしよう!」という目標は、「立っていかなければならない!」という必須事項へと変わりました。

「とにかくお金を貯めよう!」

夫からの支援がなくなっても、子どもの教育費を払いながら、1年間は自分だけで生活できるくらいのお金を貯めようと決意したのです。

そうなると、心許ないのがお給料。

当時の私の年収は、250万円程度。

悩んだところで状況は変わりません。

とにかく、気持ちだけは負けないように「心はファイティングポーズ」を、自分に言い聞かせました。

すると、2010年8月の終わり、友人から一本の電話があったのです。

「うちの会社で、1人、求人が出て、社長にあなたを推薦したら、雇ってもいいといっている。返事は今ちょうだい」

さらに、年収についても希望を聞いてくれるとのこと!

もちろん私の返事は「OK」です。

話は順調に進み、後日、無事に採用となりました。

おひとり様生活、始まる!

転職したことで、少しですが収入が増えたこともあって、2011年には、夫と別居。

現在、すでに働いている息子と大学生の娘と同居していますが、ひとり身としての毎日を送る「おひとり様生活」となりました。

私の場合、ここまでくるのに、運がよかった面もあるかもしれません。

友人や子どもたちにもたくさん、助けてもらいました。

何事もまずは「自分で決めること」から、スタートします。

「自分の足で立てるようになる」と決める。

そこではじめて、自立するためにはどうすればよいかを真剣に考えるようになりました。

それが自分の行動につながり、手をさしのべてくれる人も出てきたのだと思います。

何かを始めたいと思ったら、まずは自分で決めること。

何事もそこがスタートなのではないでしょうか。

私のおひとり様生活もまだまだ始まったばかりです。

たいした蓄えもない私は、これからも自分で働いて生活していかなければなりません。

「生涯現役でいる」

それが今、私が心に決めていることです。

【まとめ読み】『50代、もう一度「ひとり時間」』記事リスト

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アラフィフブロガーの、大人の「ひとり時間」を楽しむ心豊かな暮らしが綴られた一冊

 

中道あん(なかみち・あん)
Ameba公式トップブロガー。「アラフィフの生き方ブログ 50代を丁寧に生きる、あんさん流」主宰。毎日の生活の風景や気づきを発信し、30代以降の女性の支持を受ける。 1963年、大阪府生まれ。26歳で結婚し、2男1女を授かる。結婚22年で夫と別居。 2019年2月「好きなことを仕事に」と正社員からフリーランスに転身。ブログ講座やコミュニティの運営を行っている。

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『50代、もう一度「ひとり時間」』

(中道あん/三笠書房)

50代は夫婦のこと、老親との関わり、子どもの成長、自身の体調の変化など、実はまだまだ悩みや迷いが多い年頃。大人気アラフィフブロガーの中道あんさんは、その中で「ひとり時間」の楽しみ方を見つけたそうです。自立し「ひとり時間」を楽しみに生きる「あんさん」流のアラフィフライフが、今後の生き方の参考になる一冊です。

※この記事は『50代、もう一度「ひとり時間」』(中道あん/三笠書房) からの抜粋です。
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