消費税、賛成も反対もしてないのになぜ上がる? 日本の政治がよくわかる「国民主権」と「間接民主制」

総理大臣、選挙、憲法改正など話題の尽きない日本の政治。とはいえ、話が大きすぎてよく分からないという人も少なくないでしょう。そこで、カリスマ塾講師・馬屋原吉博さんの著書『今さら聞けない 政治のキホンが2時間で全部頭に入る』(すばる舎)から、「わかりやすい政治用語の基本」の一部を抜粋してお届け。基本を知ると、今の世の中がよくわかります。

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「主権」は「国民」にあるとはどういうことか

「国民主権」

日本国憲法の三大原則、1つ目は「国民主権」です。

ここでいう「主権」とは、「国の政治を最終的に決定する力」のことです。

そして、日本国憲法は、この「主権」を持つのは「国民」だと規定しています。

しかし、本当にそうでしょうか。

政治は、原則として「法律」を作ったり変えたりすることによって進められます。

たとえば、2012年に国会が「消費税法」などの法律を改正した結果として、2014年4月、消費税が5%から8%に上がったわけです。

当時、私はすでに選挙権を持った日本国民、つまり「主権者」でした。

しかし、私はそのとき、消費税を上げることに「賛成」や「反対」の意思を表明した覚えはありません。

それなのに、なぜ私は主権者であると言えるのでしょうか。

日本の政治は「間接民主制」で進む

日本国憲法の前文の冒頭には、「日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」と書かれています。

つまり、先ほどの消費税の例で考えると、私自身は「直接」賛成した覚えも反対した覚えもないわけですが、消費税を上げることを決めた「国会議員」を選んだのは私たち日本国民ですから、政治を「最終的に」決める力を持っているのは国民である、という理屈が成り立つのです。

国民が「直接」多数決を採って物事を決めるのではなく、国民が選んだ代表者たちが議論の上で多数決を採って、物事を決めていく。

このシステムを「間接民主制」と呼んでいます。

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日本では「間接民主制」が徹底されている

「間接民主制」と「直接民主制」

「間接民主制」の反対語は「直接民主制」です。

「直接民主制」とは、関係者全員で話し合い、多数決を採って物事を決めていくシステムです。

2016年6月、イギリスで「EUから離脱するかどうか」に賛成・反対の意思を表明する「国民投票」が実施され、イギリスのEU離脱が決まりました。

これはかなり直接民主制的なものの決め方です。

民意が直接反映されるため、政治は原則として直接民主制で進められるべきだ、と考える人もいます。

直接民主制のデメリット

ただ、直接民主制にはデメリットもあります。

人数の多い集団で建設的な議論をすることは難しいのではないか、という点や、間接民主制以上に「少数派の意見」が無視されやすいのではないか、という点です。

大多数の人が「自分の利害」に照らして判断すると、「多くの人にとってうれしくないことかもしれないけれど、社会全体のためには進めなければならないこと」は実現しにくいと言われています。

「直接民主制」と「間接民主制」のどちらが良いのか、という問いは、客観的な正解が存在する問いではありません。

集団を構成する人々の人数や性格などによっても答えは変わってくるでしょう。

ただ、あくまで日本国憲法は、日本国の政治は原則として、「正当に選挙された国会における代表者」が進めていくと規定し、「間接民主制」を徹底しています。

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140-H1全8章にわたってカリスマ塾講師が政治に関するさまざまな用語をわかりやすい図解で解説しています

 

馬屋原吉博(うまやはら・よしひろ)
中学受験専門・個別指導教室SS-1社会科教務主任。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。大手予備校や進学塾で、大学・高校・中学受験の指導経験を積み、現在は完全1対1・常時保護者の見学可という環境で中学受験指導に専念。開成、灘、桜蔭、筑駒といった難関中学に、数多くの生徒を送り出す。著書に『CD2枚で古代から現代まで 聞くだけで一気にわかる日本史』(アスコム)などがある。

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『今さら聞けない 政治のキホンが2時間で全部頭に入る』

(馬屋原吉博/すばる舎)

通常国会や予算委員会、審議会に憲法改正など、ニュースでたくさん聞くけど、結局それって何なの?何のためにするの?今さら聞けないそんなモヤモヤを、中学受験のカリスマ塾講師がわかりやすく解説。「政治」が私たちの生活に密接にかかわっていることがわかる一冊です。

※この記事は『今さら聞けない 政治のキホンが2時間で全部頭に入る』(馬屋原吉博/すばる舎)からの抜粋です。

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