終わりのない主婦業...。ふと思い立って2泊3日で出かけた「50代のひとり時間」を過ごす旅/中道あん

20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。今回は、「ひとり時間のススメ」をお届けします。

前回の記事:ほんの1分前のことが...。50代の私が心がける「脳のメモ帳の劣化」への抗い方

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それはパソコンの前でほっと一息ついた時にはじまりました。

「旅に出たいな」。

そのままスマホのアプリで旅行サイトを閲覧してポチっと申し込みました。

何度も宿泊したことのある大阪からバスに乗り1時間ほどで行ける有馬温泉です。

1泊2日で十分満喫できる場所ですが2泊3日の旅にしました。

その理由は「ひとり」になりたかったからです。

実はこの1週間前、きっかけになる出来事がありました。

美味しい料理を食卓に並べる。

食べることは生きることです。

...そんなように「食を楽しむ」ことは自分の取り柄だと思っていたのですが、その日自分が作った夕飯は、自分でも「雑やな」と感じていたのです。

理由は夕飯を作りたくなかったから。

家族のために料理を作るより、自分のやりたいことに時間を使いたかったのです。

料理って思いやりです。

ハートがない料理ほど冷たいものはありません。

で、「ああ、美味しそうに見えへんわ。もう料理をしたくないねん」と言うと「分かるわ...。でもママが作るのが一番おいしいからなぁ...」と答える家族。

主婦業ってなんの基準もないし終わりもないのです。

どこまでやるかは自分が決めるしかないので、手を抜くこともできるし、かけることもできます。

頑張り屋さんって自分の感情を押し殺して、手をかけちゃうのです。

とくに家族がいれば、家族のために、無意識に自然に。

それが自分の小さなストレスになりひどくなれば被害妄想に発展します。

「なんで自分ばっかり」という。

まさに、その一歩手前の状態にきていました。

「ひとりの時間を過ごそう」と、愛犬は1日だけ馴染のペットホテルにあずけ、3日間を楽しむ旅。

最終日には、最近始めたピラティスをして終えるという行程です。

眼下に有馬温泉の町並みを眺めながら部屋でやりたい仕事に専念し、疲れたらラナイの椅子に腰かけで鳥のさえずりを聴きながら遠くに上がる湯けむりをぼんやりと眺める。

ビターチョコレートを味わいながらインスタントコーヒーを飲む。

皆が観光や食事を楽しんでいる間に浴場を貸し切り露天風呂のように独占してのんびりと湯につかる。

誰とも話さず誰にも邪魔されず、好きなように時間を使う。

そんな贅沢な「ひとり時間」を過ごす旅です。

レストランで食事をすれば温かい食事がいただけますが、お部屋でお重箱に詰められた豪華お弁当に舌鼓を打ち、足をばたつかせ「美味しい~」と言う。

誰の目も気にせずのんびり時間をかけていただきました。

コロナ禍の旅はこんな感じに過ごしました。

家族も仕事も自分もどれも同じように大切ですが、バランスって大事だと思います。

私たちが最も大事にしなくてはならないのは自分自身です。

自分を大事に扱うことを忘れてしまうと働くことも、大切な人のために何かをしてあげることもできなくなるのです。

それは意識しすぎるくらい意識しても大丈夫じゃないかと思います。

今回は「ワーク」と「バケーション」を組み合わせワーケーションでしたが、家事を放棄して誰にも邪魔されない、実に快適な3日間でした。

ただ、旅の途中一つだけ心を咎めたのは、留守番の家族からLINEで送られてきた、主を待つ愛犬の写真。

「カタン」と音がすると玄関の方をジッと見て動かない後ろ姿。

「ごめんよ」と一言、返信しました。

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健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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中道あん

「女性の生き方ブログ!50代を 丁寧に生きる、あんさん流」主宰。Ameba公式トップブロガー。結婚22年で夫と別居。自立した人生を送るため、正社員として働きだしました。社会人の長男、大学生の長女と同居しています。要介護2の実母は3年半同居生活の後有料老人ホームにて暮らしております。

中道あんさんのブログ:アラフィフの生き方ブログ|50代を丁寧に生きる、あんさん流

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『50代、もう一度「ひとり時間」』(KADOKAWA)

20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として普通に生きてきた。でも50代になると人生の転機が頼まれもしないのに訪れる。夫との別居、母の介護、女性としての身体の変化、子どもたちの成長。そこから見つけた「ひとりの楽しみ」をあますところなく伝え続ける、「あんさん」流のアラフィフライフ。50代からの人生を前向きに過ごすためのヒントが満載。

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