仏教的には何の問題もありませんが...知っておきたい「墓じまい」の手順

日本人にとって、最も身近な宗教である仏教ですが「葬祭時のマナーは心もとない...」という人も多いのでは? そこで、仏教関連の著書を数多く執筆する長田幸康さんの著書「これだけは知っておきたい はじめての仏教」から、「お布施の相場」や「墓じまい」また「仏教の歴史」など「これだけは知っておきたい知識」をご紹介します。

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【墓じまい・改葬】
自分も近親者もスムーズに終活は進めたい。知っておきたい墓じまい、改葬の手順

高度成長期以降、多くの人々が故郷を離れて都市部に移り住んだ。

世代が下ると、故郷との結びつきはますます薄れ、菩提寺にある墓からも足が遠のいた。

高齢になると遠方のお墓にお参りに行くことも難しくなる。

しかし、お墓を放っておくわけにもいかない。

そして、いずれは自分もお墓に入ることになる。

それはどこのお墓なのだろう? 

菩提寺と檀家の関係が節目を迎えている今、「終活」の一環として、生前からお墓のことを考える人が増えている。

「年を取ってお参りに行けないので、お墓を閉じたい」「子どもに苦労をかけないよう、お墓を近くに移したい」「子どもがいないので、お墓を閉じたい」といった多様なニーズが生まれているのだ。

そもそも、お釈迦さまは、お墓について何も述べてはいない。

先祖代々のお墓を建て、成仏を祈る習慣は、祖先崇拝の伝統を吸収した中国仏教に由来する。

正論としては、お墓は仏教の問題ではなく、遺族の気持ちをいかに表わすかという問題だ。

墓じまいや改葬について、仏教の観点からは何の問題もない。

納得のいくやり方に改めればよいだろう。

ただし、現実には、お墓とお寺は深く関わっている。

お墓を移すということは、菩提寺が檀家を失うこと。

お寺の収支を直撃するため、積極的には認めたくないだろう。

もし先祖代々のお墓を守ってくれた菩提寺を離れるのなら、きちんと礼は尽くしたいものだ。

【墓じまいの手順例】

①菩提寺や墓地の管理者に相談する
改葬の場合は新しいお墓を決める

②「改葬許可申請書」を作成する
現在お墓がある市区町村で書類を入手し、埋葬されている方の本籍や改葬の理由など必要事項を記入する

改葬の場合は新たな菩提寺や墓地の管理者から「受入証明書」もしくは「墓所使用承諾証」を発行してもらう

③菩提寺や墓地管理者から「改葬許可申請書」に署名捺印をもらう

④「改葬許可証」を交付してもらう
「改葬許可申請書」(改葬の場合は「受入証明書」もしくは「墓所使用承諾証」も)を市区町村に提出する

⑤遺骨を取り出し、「閉眼法要」などを行なう

⑥墓石を撤去し、更地に戻す
改葬の場合は新しいお墓に納骨し、「開眼法要」などを行なう

※ 自治体によって、必要な書類・手続きが異なる

【まとめ読み】スムーズに終活を進めるために

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仏教の歴史から日本の寺社仏閣や法要関連の情報をわかりやすく紹介。特に5章の「仏教儀式」はすぐに役立ちます

 

長田幸康(おさだ・ゆきやす)
インドでダライ・ラマ14世に出会って仏教に目覚め、チベット寺院に住み込んで基礎を学ぶ。仏教とチベット文化に造詣が深く、チベットの仏教文化を巡るツアーの現地ガイドも務めた経験もある。ライフワークとして、国内外の信仰の地を訪ねる聖地巡礼を続けている。仏教関連の著書多数

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『これだけは知っておきたい 図解 はじめての仏教』

(長田幸康/KADOKAWA)

現代葬、墓じまい、改葬などの「今」こそ知りたい仏事雑学から、心を落ち着かせる瞑想、座禅、お遍路、御朱引まで、この1冊で「仏教」が丸わかり! 本書には歴史や習わし、教えなど「仏教の基本」を知ることで日常生活や人生を送る上で役立つノウハウが詰まっています。人間関係や私生活のしがらみから解放されて物事の執着が消え、いつの間にか心が軽くなる。今の時代にピッタリの一冊です。

※この記事は、「これだけは知っておきたい 図解 はじめての仏教」(長田幸康/KADOKAWA)からの抜粋です。
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