人生は思い通りにならないもの...仏教の「四苦八苦」の意味をご存じですか?

日本人にとって、最も身近な宗教である仏教ですが「葬祭時のマナーは心もとない...」という人も多いのでは? そこで、仏教関連の著書を数多く執筆する長田幸康さんの著書「これだけは知っておきたい はじめての仏教」から、「お布施の相場」や「墓じまい」また「仏教の歴史」など「これだけは知っておきたい知識」をご紹介します。

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【一切皆苦】

「人生は思い通りにならない」から始めよう

生まれること、老いること、病むこと、死ぬこと。

この四つの「苦」が、お釈迦さまを修行へと駆り立てた。

「苦」とは「思い通りにならない」という意味だ。

だからこそ、真理を悟った後、真っ先に「人生は思い通りにならない」という真理を説いた。

「生老死(しょうろうびょうし)」という「四苦(く)」からは、だれも逃れることができない。

「生」は「生きる苦しみ」ではなく、「生まれる苦」だ。

いつ、どこに、どんな姿で生まれてくるのか、だれも決めることはできない。

厳格な身分制度のあったインドでは、とくに重要なことだ。

お釈迦さまは、はじめて教えを説いた「初転法輪」において、この「四苦」に「愛別離苦(あいべつりく)」「怨憎会苦(おんぞうえく)」「求不得苦(ぐふとくく)」「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」を加えて「八苦(はっく)」として説いた。

・ 愛別離苦......愛する人との別れも必ずやってくる。

・ 怨憎会苦......恨みや憎しみを抱いている相手にも会わないわけにはいかない。

・ 求不得苦......どんなに求めても望み通りに得られるとは限らない。

・ 五蘊盛苦......心も体も五蘊(色・受・想・行・識)から構成され、煩悩の原因となり、自分の思い通りにはならない。

これらを合わせて「四苦八苦」という。

何ごとも思い通りにならないという真理(一苦―いっさいかいく)を、まず人生の大前提として受け止める。

お釈迦さまのすべての教えは、ここからスタートしている。

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【まとめ読み】これだけは知っておいて!「はじめての仏教」記事リスト

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仏教の歴史から日本の寺社仏閣や法要関連の情報をわかりやすく紹介。特に5章の「仏教儀式」はすぐに役立ちます

 

長田幸康(おさだ・ゆきやす)
インドでダライ・ラマ14世に出会って仏教に目覚め、チベット寺院に住み込んで基礎を学ぶ。仏教とチベット文化に造詣が深く、チベットの仏教文化を巡るツアーの現地ガイドも務めた経験もある。ライフワークとして、国内外の信仰の地を訪ねる聖地巡礼を続けている。仏教関連の著書多数

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『これだけは知っておきたい 図解 はじめての仏教』

(長田幸康/KADOKAWA)

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※この記事は、「これだけは知っておきたい 図解 はじめての仏教」(長田幸康/KADOKAWA)からの抜粋です。
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