自宅の除菌やウイルス対策、皆さんどうされていますか? しっかりやってるけど、本当に正解かわからない...という人もいるのではないでしょうか? そこで、コロナ対策から洗濯物、食中毒の防止まで、各専門家の先生にお聞きしてきました。今回は、東京家政大学教授の潮田ひとみ先生に「細菌を増やさない選択習慣」について教えていただきました。
においの原因は人の体にすんでいる常在菌。放っておくと増殖します。
生乾き臭の原因は、モラクセラ・オスロエンシスという人の口の粘膜などにいる常在菌。
この菌が増殖するときに、特定の不飽和脂肪酸が独特のにおいを発生させます。
低濃度でも人の嗅覚を刺激するため、できるだけ増殖を抑えるのがポイント。
確実に汚れを落とし早く乾かす
「高温多湿のこの時期、洗濯物についた細菌も増殖しやすくなります。洗濯~干し方をいま一度見直しましょう」というのは、東京家政大学教授の潮田ひとみ先生。
まずは細菌がたまりやすい洗濯槽。1カ月に1回は重曹などで汚れを取り除き、普段から洗濯機のふたを開けて、湿気がこもらないようにしておきます。
また、洗濯機の洗浄力を上げるためにも、洗濯物は詰め込み過ぎず、7割程度に抑えましょう。
「においをごまかすために洗剤や柔軟剤の量を増やすのも厳禁。溶け残った洗剤類が洗濯槽の裏に蓄積し、洗濯物に付着して、菌を増殖させます。洗剤類は標準使用量を必ず守りましょう」
お風呂の残り湯を使うかどうかも迷うところですが、実は残り湯は温度が高く、水道水よりも硬度が低いため、洗浄力が高いのです。ただし細菌もいるため、すすぎのときには使わないようにします。
さらに、洗濯物が濡れた状態が長いほど、細菌が増殖しやすくなります。
洗濯したらすぐ干し、短時間で乾かしましょう。
「おしゃれ着でないなら、脱水を2度かけてもいいですね。また、夜間よりも、気温が高い昼間の方が早く乾きます」
乾きにくい洗濯物の干し方
洗濯物を干すときに、できるだけ空気に触れる面を多くすることを意識します。
シャツ・靴下
シャツはボタンを外して、衣類同士が重ならないように。靴下ははき口を上にし、片側だけを留めて中を広げるように干す。
ズボン
連続式ハンガーの2~3連分を使って中を広げるように干す。ポケットがあれば、裏返してボタンを外す。
バスタオル等
大きめのタオルやシーツは、二つ折りにせず蛇腹状にして干し、裏表に空気を十分に当てるようにする。
生乾き臭を防ぐ洗濯習慣チェック
□ 洗濯槽は小まめに掃除している
□ 洗濯槽に入れる洗濯物の量は7 割程度
□ 洗剤、柔軟剤の使用量を正しく守っている
□ お風呂の残り湯はすすぎには使わない
□ 脱水したらすぐ干すようにしている
Q 生乾き臭がついてしまったら?
A アイロンをかけて洗濯すれば復活!
においの発生源である不飽和脂肪酸は、沸点が118℃なので、高温で一気にアイロンをかければ蒸発させられます。それでもにおいが残ったら、においのもとは1リットル(水温25℃)の水に12g溶け出すという性質もあるので、多めの水道水に一晩浸けて、においのもとを溶かします。さらに翌日再度洗濯すればスッキリ解決!
Q 脇の下など、一部分だけ乾かない!
A アイロンがけで速乾!
高温でアイロンをかけることで、濡れた部分がすぐ乾く上に殺菌ができ、においの発生も防止できます。
取材・文/阿部桃子 イラスト/岡本典子