「家の片づけを始めても、なぜかなかなか進まない」と思うことってありますよね? そんな悩みを10年以上前からブログでつづったことで、モノに囲まれた暮らしから「もたない暮らし」に変えた人気ブロガーのriamo*さん。そんなriamo*さんの著書『「もたない暮らし」の始め方』(すばる舎)から、誰でもすぐに試せる「片づけ上手になる工夫」をお届けします。
実用性重視のステンレス製
わが家のコンロは、3口コンロ。
......ということは、同時に使えるのも3つのお鍋ということになります。
最低限の3つの鍋があれば、普段の料理に困ることはありません。
お料理上手なご家庭なら、シェフが使っていそうな特別な鍋もあるでしょうが、わが家が使っているのは、実用性重視のステンレスの鍋です。
かっこいいストウブの鍋や、バーミキュラの鍋にも惹かれるけど、毎日使うなら、軽いステンレス鍋に軍配が上がります。
私の場合、重いと出番がなくなりそうです。
他には、家族で囲む土鍋や、すき焼き鍋、専用の揚げ鍋が別途あります。
以前は、パスタ鍋もありましたが、両手鍋でパスタをゆでることができるので、手放しました。
忙しいときに大活躍の圧力鍋もあります。
煮込み料理もすぐにできて、家事の時短にもなります。
母が圧力鍋の蒸気が怖いと言って、ほぼ新品状態で譲り受けたのは、昭和の時代のもの。
なんと1989年製の年代物です。
昔のものなので、作りもしっかりしています。
実は一度、手放すことを考えました。
一時期に比べて使う機会が少なくなっていたのです。
使わない=捨てる
この公式に当てはめると、使っていないので、捨てる判断をすることになります。
でも、お正月に作るチキンロールは、家族の大好物だし、味噌を手作りするときには、大豆を煮るのに使うはず。
ご飯を炊いても美味しいし、カレーなんてあっという間にできてしまいます。
そう考えると、まだまだ現役で頑張ってもらわないといけません。
しかし、圧力鍋ですので、安全性も心配です。
捨てられない、30年物の圧力鍋
そこで、メーカーに問い合わせをしました。
「部品を取り寄せたいのですが......」なにせ1989年製ですので、部品が残っているかどうか定かではありません。
鍋の底に製造番号の刻印がありました。
番号を伝えたら、なんと、パッキンを取り寄せできることに。
「パッキンを取り替えたら、まだまだ使えます」と、メーカーのお墨付きをいただきました。
パッキンを2000円ほどで取り替えたら、新しい圧力鍋へと息を吹き返しました。
自分で買った特別な思い入れもない圧力鍋なら、わざわざパッキンを取り替えて使っていたでしょうか?
2000円出すくらいなら、新しい圧力鍋を買っていたかもしれません。
30年ほど前の圧力鍋を、なにもわざわざ使わなくてもと思われるでしょう。
でも私は、古いものを大切にしたかった。
譲った母は、圧力鍋のことなんて、すっかり忘れてしまっているだろうけど、私はどうしても捨てることができなかったのです。
やっと日の目を見ることになった、その圧力鍋を私の手で、使ってあげたかった......。
昔のものは、頑丈にできています。
少しの手間と愛情をかけると、また磨きがかかります。
私が母から譲り受けたように、私は娘たちに何を譲り渡すことができるのでしょう。
そのためには、モノを選ぶ目がとても大切だと思います。
手間をかけ、使い続けられるものを選ぶ。
いつかは、娘たちに引き継いでもらえるように。
撮影:上岡エマ
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