家庭に仕事、交友関係まで、あらゆる場面で抱えてしまう「ストレス」。頑張れば頑張るほど、なぜかたまっていく人は、もう少し「自分を大切に」した方がいいかもしれません。そこで、「幸福度の高い国」として有名なスウェーデンで国民的ベストセラーとなった『北欧スウェーデン式自分を大切にする生き方 心の病を抜け出した夫婦からのアドバイス27』(マッツ・ビルマーク、スーサン・ビルマーク/文響社)から、幸せな国で暮らす人々が共感した「自分を大切にできる方法」を連載形式で紹介します。
自分を受け入れれば、他人も受け入れられる
自尊心を傷つけるような、必要以上に批判的でネガティブな気持ちは、ごく幼い頃から始まっている可能性があります。
不幸な環境や出来事のために、拒絶感、場違い感、とけ込めない感じを持つようになったのかもしれません。
めったに褒められなかった、理不尽に責められたり非難されたりしていた、虐待すらされていた人もいるかもしれません。
そうした体験から、自分には取り柄がない、愚か者、役立たず、無能、と決めつけるようになったのかもしれないのです。
こうした決めつけが、自分を価値のない、つまらない人間だと考えさせているのです。
自分が考えていることを思い切って言えないのは、受け入れてもらえないのが怖いから、あるいはすべて完璧でなければならないと思い込んでいるからです。
拒絶されたり、なにかに失敗したり、自制心を失いそうになったりするたびに、自分は取り柄がないとか愚か者だとかいった、いつもの決めつけが頭をもたげてくるのです。
そのうちにひどい不安症になり、それに伴って現れるさまざまな反応のために、普通に生活するのが難しくなります。
人との衝突を一切避けたり、用心し過ぎたり、すぐあきらめたりして、とにかく思い切ってなにかやってみようということが一切なくなります。
このどれもが、自分の思い込みが「正しかった」裏付けになってしまうのです。
そうなると、「自分は無能」「ダメ人間」「愚か者」「つまらない人間」といった自己批判や自己卑下の気持ちがますます募ります。
この悪循環が続いて、うつになる場合もあります。
子どもも大人も、自尊心の低さに苦しんでいる人は大勢います。
自信がない人は、ほかの人に肯定してもらおうとしたり、持ち物で自分の価値を確認しようとしたりします。
自尊心を高めると、人の欠点も受け入れやすくなり、共同作業がしやすくなります。
自分がもっと好きになり、自分に満足するので、自己批判をそれほどしなくなります。
自尊心が高いと勇気も得られます。
人付き合いの場でもうちょっと踏み込んでみる、自分の考えを言ってみる、決心する、新しい人と知り合う、といったことを思い切ってできるようになります。
「感謝日記」をつける
自尊心を高めるには、自分の行動だけでなく、ありのままの自分をたびたび褒めてあげる必要があります。
経験のないこと、怖くてできなかったことを思い切ってやってみると、自尊心が育ちます。まずは、自分自身にも周囲の人にも、これまでとは別のやり方で対応することから始めましょう。
人からどう思われるかよりも、自分で自分をどう思うかがはるかに重要です。
人生におけるポジティブな面に意識を集中していると、もっと楽観的になって、ポジティブなエネルギーを周りに広げられるようになります。
すると今度は自分も、さらにポジティブなエネルギーを得られるようになるのです。
練習が必要ですが、もっとポジティブになることも、考え方を変えることも可能なのです。
元気づけてくれる人、支えてくれる人、幸運を祈ってくれる人と親しくするようにしましょう。
ポジティブなメッセージやアファメーション(肯定的自己暗示)に囲まれるようにしましょう。
自分へのメッセージを書いて、冷蔵庫の扉、鏡、ノートパソコンなど、毎日、目にするところへ貼っておきます。
習慣化に役立つのが、「感謝日記」を毎晩つけることです。
ベッドのそばにノートを置いておき、毎晩寝る前に、感謝していることを三つ書き留めます。
その日あったことでも、これまでにあったことでも構いません。
感謝している自分の一面や、ほかの誰かのことでもいいのです。
「べきなのに」と思わない
後ろめたさを感じている人は過去のことをあれこれ考えて、時間とエネルギーを無駄にしています。
日々の暮らしに関して、次のような後ろめたさを感じることもあります。
・子ども、パートナー、友人、親ともっと一緒にいるべきなのに
・もっとバランスのとれた食事をし、もっと体を動かすべきなのに
誰にでも親切にし、役に立ったり支えてあげたりしたくても、実際にそうすれば自分の時間がほとんどなくなってしまいます。
ほかのみんなを大事にして、自分のことを後まわしにするとしましょう。
自己軽視や自己蔑視につながりかねません。
断ったり一線を引いたりできない自分に失望するからです。
後ろめたくてがっかりし、やがて怒りやイライラ、憂鬱を引き起こすようになります。
子どもの頃に起きた家庭崩壊のような出来事に、後ろめたさを感じている場合もあるかもしれません。
親の別居、虐待、トラウマになったことなどもそうです。
子どもだったあなたの身に起きたことは、それがなんであれ、あなたの責任ではまずありません。
仮にそうだったとしても、ずっと苦しんで、後ろめたい気持ちを長年抱えている必要はないのです。
わたしたちにコンタクトしてきたある女性の話です。
自分の両親を好きになれないことに、長年後ろめたさを感じていたと言います。
成長期、両親との関係があまりよくなかったのです。
両親の気持ちを話してもらったことがなく、自分の気持ちや思いをたずねられたこともありませんでした。
その女性は、人生のたいした目標も計画もなく、ただそこにいるだけのように感じていました。なにをするにも、励まされたり褒められたり、支えてもらったりしたことがありませんでした。
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