「時間の引っ越し」をしましょう。やましたひでこさん「断捨離」流、新年の迎え方とは

いよいよ年末、今年も大掃除の時節がやってきました。新年を迎えるといっても、実は今日と地続きの明日になるだけ。ところが、私たちの意識は不思議なもので、「改まること」に対して心が動きます。

自分たちの身の回りを整えて、まっさらの状態で向き合うには? 新年を気持ちよく迎える方法を、やましたひでこさんにうかがいました。

1912p012_01.jpg新年は「時間の引っ越し」〝転居先〟にどんな荷物を持っていきますか?

「私は、新年を迎えることを『時間の引っ越し』と捉えています。新しい拠点である新居に荷物を移動し、生活の基盤を移すように、新しい年へと時間を移動し、基盤を移すからです。では、新しい〝転居先〟に何を持っていくか? そう考えたとき、『新しい年はこうしたい!』とあなたが思い描く姿にふさわしい空間づくりが必要です。年末の大掃除は、そのための準備期間になり得ます」

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「もったいない世代」の解決策はそれでも物を手放すこと

残念ながら、私たちは「物が勝手に入ってくる社会」に生きている、とやましたさん。

物が多量に生産され、流通されている物理的な要因が一つ。

二つ目に、インテリアや収納に関する知識や情報は豊富なのに、自分が快適に過ごすためのちょうどいい物の量がどれくらいなのか。その考察が足りないことも原因なのだそう。

「さらに私たちは、『もったいない世代』。物を大切にする思考が幼少の頃から染みついていて、物を手放せないのですね。そのため、物を溜め込みがちで、空間に対して圧倒的に物の量が多い! 気持ちよく〝引っ越す〟には物を手放さざるを得ないのです」

「使えるかどうか?」ではなく「必要かどうか?」の視点

 物を前にすると、私たちは物自体に焦点を置いてしまいがちです。

「必要かどうか?」ではなく、「使えるかどうか?」の視点で取捨選択してしまう思考の癖がある、とやましたさんは指摘します。

「これが『モノ軸思考』です。その結果、壊れていなければ、『何かに使えるはず...』『いつかどこかで使えるはず...』、自分が使うことができないなら『誰かに使ってもらえるはず...』という思考にとらわれます。

〝時間の引っ越し〟のよいところは、誰もが必ず引っ越せること。物を手放す絶好のタイミングになってくれます。ぜひこの年末を、見極めの時期として過ごしてみてください」

「いつか、どこか、誰か、は無限にある思考がいまに向けられていないんです」

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構成/峰岸美帆 文/斎藤真知子 イラスト/根津あやぼ

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<教えてくれた人>
やましたひでこさん

一般財団法人断捨離代表。ヨガの行動哲学に着想を得た「断捨離」を日常の片付けに落とし込み、誰もが実践可能な自己探訪のメソッドを確立。物だけでなく思考の新陳代謝法としても支持される。近著に『定年後の断捨離』(大和書房)など。

この記事は『毎日が発見』2019年12月号に掲載の情報です。

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