世界が「ウソでしょ!?」父と娘、母と息子でお風呂は超非常識

「近所の人が非常識で...」といった悩みを耳にすることもあるはずです。でも、世界に目を向けると、「パジャマで外出」「50歳でもお年玉」など、私たちが驚いてしまうことが「あたりまえ」として行われています。そこで、文化人類学者・斗鬼正一さんの著書『開幕!世界あたりまえ会議』(ワニブックス)から日本ではありえない驚きの常識を連載形式でお届けします。

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家族でも男女一緒に食事しない

ミクロネシアのヤップ島民は、漁をするのは男性、山中の農作業は女性と決められています。海の神である女神を嫉妬させるから女性が海に行くことは禁止、山の神は男神なので男性は山に行ってはいけないという信仰によるものなのですが、男女の区別はそれだけではありません。男女が海沿いの道ですれ違うときも、男性が海側、女性が山側によけて通ります。これは「女性は穢(けが)れている」と考えられてきたので、穢れを男性に移さないように、女性は風下の山側によけるということなのです。

葬儀の式場も男女別で、遺体を安置するのも、遺体を山中の墓に運んで埋めるのも女性の仕事です。穢れた遺体は穢れた女性が扱うのがあたりまえと考えられ、男性は女性の式場に行くことも許されません。食事の調理も男女別なのですが、家事を男女で平等に分担などという話ではなく、夫婦でも兄妹でも、異性の前で食べるのは恥ずかしいこととされているのです。食事自体が男女別ですから、食卓を囲んだ団らんもありません。そもそも家自体が男女別棟という、徹底した男女隔離民族なのです。

【日本人からしたら...】調理も別なら、「おふくろの味」もないのかしら

父と娘、母と息子が入浴する

日本では一緒に風呂に入ることを「裸の付き合い」といい、人と親しくなるためのよい習慣とされています。実際、銭湯でも温泉でも、赤の他人と入浴するのはあたりまえです。しかし、世界には他人に裸を見みせること自体が、すごく恥ずかしいことだという民族もたくさんいます。

さらに日本では、子どものうちは父と娘、母と息子が一緒に風呂に入ることは、親子のコミュニケーションをとるよい機会とされています。一方、多くの民族の目にはこれは大変な非常識に見えてしまうのです。

たとえばフランスやアメリカ、イタリア、メキシコでは、赤ん坊のとき以外は異性の親子が一緒に入浴することはありえないといいます。母親が風呂場で息子の身体を洗ってあげるときも、服を着たままなのです。イスラム圏のイラン人も、異性の子と入浴するのは4歳くらいまでで、シンガポール、中国、そして韓国でも、異性の親の裸など見たことがないというのがふつうです。小学生が異性の親と一緒に入浴するという日本の常識は、世界から見と非常識だと言われてしまうのです。

【日本人からしたら...】えっ!?これっておかしいの?国によって、全然違う感覚をしているんだな~

イラスト/てぶくろ星人

あたりまえ会議.jpg「男女」「生活」など5つのテーマで、世界中から集められた83の"驚きの常識"が!世界から見れば、日本も意外と非常識のようです

 

斗鬼正一(とき・まさかず)

1950年、鎌倉生まれ。文化人類学者。江戸川大学名誉教授、明治大学大学院・文学部兼任講師。明治大学大学院修了。熱帯ジャングルのヤップ島からコンクリートジャングルの香港、東京まで、旅と街歩きで「人間という人類最大の謎」を探検する。

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『開幕!世界あたりまえ会議―私の「ふつう」は、誰かの「ありえない」』

(斗鬼正一/ワニブックス)

「うんこで手を洗う」「石を食べる」などなど、世界を旅して“人類”を研究する著者が、愛すべき世界の人々の“あたりまえ”を集めた人間讃歌の一冊。暮らしから人間関係まで、信じられない83もの常識がラインアップ。多様性が叫ばれる中で「普通とは何か」ということを、ポップなイラストと共にわかりやすく教えてくれます。

※この記事は『開幕!世界あたりまえ会議―私の「ふつう」は、誰かの「ありえない」』(斗鬼正一/ワニブッス)からの抜粋です。

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