家を片づけたいけど、「何から手をつけていいかわからない」「途中でイヤになった」「すぐ元に戻っちゃう」なんて悩み、抱えていませんか? 実は片づけられないのは「脳」のせいかもしれません。脳の働きを理解し、弱い部分を鍛えることで「片づけ脳」に変える。「片づけ上手になるための脳トレ」で話題の書籍から、そのエッセンスを連載形式でお届けします。
※この記事は『片づけ脳―部屋も頭もスッキリする!』(加藤俊徳/自由国民社)からの抜粋です。
脳に弱い部分があるから、片づけられない
最初に、少しだけ"脳"についてお話しておきましょう。
脳は、ご存じのとおり、私たち人間にとって、非常に大事な"器官"です。考えたり、痛みを感じたり、おしゃべりしたり、運動したり......そうしたことができるのも、脳がちゃんと働いてくれているお陰です。私たちの感情や思考、行動などあらゆることは、脳の働きに委ねられています。
ですから、片づけも、脳がいかにしっかり「片づけよう」と働くかが大事になります。
脳には、約1000億個以上の神経細胞が存在しています。それらの神経細胞には、「考える」「記憶する」「からだを動かす」など、さまざまな役割が与えられています。
そして、同じような働きをする細胞は寄り集まって、脳細胞集団をつくっています。
その集団がつくられている、いわば「基地」のようなところを、私は住所のように「脳番地」という概念で表現しています。脳番地は、全部で120ありますが、機能別にすると8つの系統に分けられます。
視覚系脳番地、理解系脳番地、運動系脳番地、思考系脳番地、記憶系脳番地、感情系脳番地、聴覚系脳番地、伝達系脳番地の8つです。
8つの脳番地は、いずれも左脳、右脳の両方にまたがっています。
以下に、それぞれの脳番地が未熟だった場合にどうなるか、その状態と、脳番地の役割、片づけとの関係を、簡単に説明します。
1 「視覚系脳番地」 部屋の様子が目に入らない!
目で見たことを脳に伝える脳番地。左脳側は言葉や文字、右脳側はイメージや映像に関係します。ここが衰えていると、見たり聞いたりした情報を正確に処理できず、部屋が散らかっていても、そもそもそれが視覚情報としてインプットされません。
2 「理解系脳番地」 状況がのみ込めない!
物事や言葉を理解することに関係する脳番地。与えられた情報を理解し、自分を客観視する能力にも関係しており、好奇心によって成長します。空間認知にも関係しています。「片づけたくても、どうしていいかわからない」「散らかっている状態を見ても頭がフリーズしてしまう」という人は、この番地が弱いといえます。
3 「運動系脳番地」 手が出ない、動きが遅い!
からだを動かすことに関係する脳番地。アスリートのほか、手先が器用な職人もこの脳番地が強いです。脳の中で最初に成長します。片づけは多くの場合、からだを動かして行う作業ですが、この運動系が弱いと、そもそも動くことがおっくうになってしまい、片づけるのも面倒に感じます。
4 「思考系脳番地」 実行に移せない!
物事を深く考えたり、判断したり集中力を高めたりする機能が集まっている脳番地。
脳の司令塔ともいえます。この脳番地が弱いと、自分で自分に指示が出せず、物事をすぐには決められません。片づけの基本である「ものの場所を決める」ことが、なかなかできず、片づけが進みません。
5 「記憶系脳番地」 前の状態を覚えていない!
情報を蓄積する脳番地。覚えたり思い出したりすることに関係します。知識と感情の連動で強化されます。記憶系が弱いと、元にあった場所が思い出せず、結果、片づけることができません。
6 「感情系脳番地」 自分で決められない!
喜怒哀楽といった感情を表現する脳番地。死ぬまで成長し続けます。この分野が弱いと、片づけは他人任せになりがちになります。
7 「聴覚系脳番地」 聞くだけでは何をしていいかわからない!
言語の聞き取りや周囲の音など、耳で聞いたことを脳に集める脳番地。ここが弱いと、聞いたことを受け止めることができず、忘れてしまい行動できません。片づけも、面倒くさくなってしまいます。
8 「伝達系脳番地」 人にうまく伝えられない!
話したり伝えたりと、コミュニケーションに関係する脳番地。家族に「片づけて!」と言っても、家族が動いてくれないのは、コミュニケーションの仕方に問題があるのかもしれません。
これらの脳番地は、人によって、どこが強いか・弱いかはさまざまです。まず、自分は8つのうちのどの脳番地が弱いのか、自分の脳のクセを見極めることが、「片づけ脳」になるための第一歩です。
思うように片づけられないのは、その大本をたどると、日々の脳の使い方のクセのせいであり、脳の弱い部分によって引き起こされたことなのです。
例えば、スマートフォンの見すぎなどの生活習慣によって、眼球が動かず、視覚系脳番地が弱くなり、片づけができなくなります。
家族がすぐに散らかしてしまうのは、相手の聴覚(聴覚系脳番地)に問題があるか、あなたの伝え方(伝達系脳番地)に問題がある可能性があります。
また、じつは病気の症状として「片づけられない」ということが、往々にしてあります。その典型例は、注意欠陥多動性障害(ADHD)ですが、たとえ、病気だったとしてもあきらめる必要は、全くありません。私のクリニックに来院される患者さんに脳のトレーニングを続けてもらったところ、以前より病状に改善が見られました。
病気でも、適切に対処しながら脳番地トレーニングをすれば、少しずつ改善することもあるのです。
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