職場でバリバリ頑張っていた若手社員に、突然「来月で辞めます」と言われた――。そんな話を耳にしたことはないでしょうか? 若者の働き方研究の第一人者・平賀充記さんによると、今の若者は「すぐ辞める」のではなく「突然辞める」。そこにはオトナと若者の価値観の違い、世代間ギャップがあるといいます。そこで、平賀さんの著書から「若者の価値感がわかる20のキーワード」や「オトナと若者の意識のギャップ例」を5回にわたってご紹介します。
※この記事は「なぜ最近の若者は突然辞めるのか」(平賀充記/アスコム)からの抜粋です。
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会社は家族......いやゼッタイ違うっしょ!
ミクシィが登場した頃から、コミュニティという言葉が一般的にもよく使われるようになりました。
オトナ世代も家族や職場、あるいはご近所など、いくつかのコミュニティに所属しているわけですが、若者たちはより広く多くのコミュニティに出入りしています。実際にSNS内にはたくさんのコミュニティが存在しています。この環境の違いが、オトナ世代と若者の生き方や価値観を大きく分けていると言っても過言ではありません。こうしたコミュニティは、友達で構成されるグループとは、また違ったつながりです。
私がインタビューした20代の若者たちも、SNSの力を使って職場とは別のコミュニティに参加していました。Aさん(25歳)は同じ趣味を持った人の集い、Bさん(21歳)は共感したNPOへの参加、Cさん(20歳)はボランティア活動といったように、「コト」でつながるコミュニティに所属しています。しかもそれらは、彼らにとって職場と同じレベルのプライオリティで参加している「生きる場所」なのです。
大雑把に言えば、「モーレツサラリーマン」や「24時間戦えますか?」などと言ってがむしゃらに働いていた世代は、職場と家庭が生きる場所のほとんどでした。そのため職場の人々とは非常に結びつきが強く、公私を共にすることも珍しくありませんでした。職場の若者が飲み会に付き合わないのは、単に冷めているからではありません。彼らには、職場と同じくらい大事な付き合いが他にもたくさんあるのです。
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最近の若者の価値観を5つの特性と20のキーワードでわかりやすく解説。若者との付き合いが楽になるコミュニケーション術も紹介されています