5月5日(日・祝)の端午の節句といえば、しょうぶ湯。でもそのすがすがしい香りを楽しむには「しょうぶ酒」もオススメです。2つの活用法をお伝えします。
しょうぶ湯
本来は、薬効成分を多く含む菖蒲根を湯船に入れて「薬湯」にしたものでしたが、現代では菖蒲根が容易に入手できなくなり、葉のみを入れるだけになったとされています。
●そのまま浮かべる
しょうぶの葉をそのまま湯に入れます。小さく刻んでガーゼなどに包み、お湯に入れても。
●菖蒲根も一緒に入れる
菖蒲根を砕き、ガーゼなどに包んでお湯で煎じ、煮汁をお風呂に。しょうぶの葉も一緒に。
「菖蒲根」とは?
しょうぶの根茎を乾燥させたもので、ヨーロッパでは「カラムス根(こん)」と呼ばれ、伝統生薬の一つです。また、漢方薬では同属植物のセキショウの根茎「石菖根(せきしょうこん)」が古くから生薬の「菖蒲」として使われています。漢方薬店などで入手できます。
しょうぶ酒
お酒にしょうぶの根を浸したしょうぶ酒は、古くから中国でも旧暦の5月5日に飲まれていたといいます。家庭で作る場合は、しょうぶの根元を刻み、日本酒をひたひたに注いで1時間~1晩おきます。葉を添えれば爽やかな風味と色も楽しめます。
軒先に飾る風習もありますしょうぶの葉をよもぎの葉と共にひさしに飾り、邪気を払う風趣宇賀「菖蒲葺(あやめぶき)」。端午の節句のころ、京都などで見ることができます。
取材・文/岡田知子(BLOOM) 写真/PIXTA デザイン/ohmae-d
参考文献/白井明大『暮らしのならわし十二か月』(飛鳥新社)