【本作を第1回から読む】今の60代は無数の仕事から「選べる」立場! 精神科医・和田秀樹先生による「幸せな再就職」のすすめ
『60歳からは、「これ」しかやらない 老後不安がたちまち消える「我慢しない生き方」』 (和田秀樹/PHP研究所)第4回【全8回】
「孤独」「健康」「金(お金)」...老後不安の「3K」を抱えていませんか?「60歳からは、好き放題に生きていい。」を提唱するのは、高齢者専門の精神科医として延べ6000人を診てきた和田秀樹先生。『60歳からは、「これ」しかやらない 老後不安がたちまち消える「我慢しない生き方」』は、老後に対する不安を払拭できる指南書です。60代からは、むしろ「チャンス」。考え方を180度チェンジして、人生を謳歌しましょう!
※本記事は和田秀樹著の書籍『60歳からは、「これ」しかやらない 老後不安がたちまち消える「我慢しない生き方」』(PHP研究所)から一部抜粋・編集しました。
高血糖より低血糖に注意する
糖尿病予防のために、高血糖は悪とされている。近年は糖質制限ダイエットも流行しているが、高血糖に比べて、低血糖の危険性はほとんど知られていない。
低血糖にはさまざまな害がある
血糖値とは、血中のブドウ糖の濃度のことです。
高血糖の害は、みなさんも普段から、さかんに耳にすることと思います。血糖値が高いと糖尿病と診断され、血管に負担がかかるので動脈硬化も進むと言われます。糖尿病は、悪化すると腎機能障害や神経障害、失明の危険もある網膜症などの合併症を引き起こします。
一方、低血糖の害については、ほとんど語られていません。しかし実は、こちらのほうがはるかに怖いのです。
高血糖ですぐに死ぬことはありませんが、血糖が極端に低くなると、昏睡(こんすい)・けいれん・脳障害などを起こして、すぐに死に至ります。
命に関わるほどではない低血糖でも、「頭が働かなくなる」「ボーッとする」という変化が起こります。脳は、体のなかでもっともブドウ糖を消費する場所なので、真っ先に頭の状態に影響が出るのです。
よく「朝食を抜いている子どもは成績が悪い」と言われますが、これもブドウ糖不足で脳の働きが低下しているせいです。
子どもでもそうなのですから、60代ともなると、低血糖が脳に与える害はさらに大きなものになるでしょう。