やせないのは、思いのほか食べているから。ダイエットに大切な、シンプルな「気づき」と合理的な方法

あなたは自分が思っているよりも食べている!

何事もそうだと思いますが、新しいことを始めるときには、まず「自分の置かれている状況」をきちんと把握することが大切です。

ダイエットで言うなら、「いまの自分がどれくらい食べているのか」を知ることが大切。ロジカルダイエットの場合も、まず自分の食事の状況をしっかり把握することで、はじめてスタートラインに立てると思ってください。

もしかしたら、みなさんは「自分はそんなに食べていない」と思っていらっしゃるかもしれません。しかし、これまで私がダイエットのサポートをしてきた方々を見ていると、「自分はそんなに食べてないのに、なぜかやせない」と強く言い張る人ほど、多く食べている傾向があるのです。まあ、たいていの人は「自分が思っているよりも実際は食べている」と自覚したほうがいいのではないでしょうか。

とりわけ、これまで何度もダイエットにチャレンジしてはあえなく挫折してきたような方には、自分が食べている量を少なめに見積もって評価している人が多く、そういう人は、より冷静な目で自分の食生活傾向を評価する必要があります。

まずは、気になるカロリー量を逐一数字化していくことにしましょう。

たとえば、体重60kgの人は、1日に何もせず安静にしていても基礎代謝と生活動作などで1800kcalくらいを消費します。この状態のままで、1日に1800kcal以上を食事で摂っていれば太っていくことになりますが、1日に1750kcalの食事に抑えたとすれば、日々50kcalずつ減って少しずつやせていくことになります。

では、50kcalはどれくらいかというと、これは大盛りのごはん1膳を普通盛りにするくらいで十分にクリアできるカロリー量なのです。このように数字にして具体的に考えていくと、「自分がどれだけのカロリー量を摂っているのか」「やせるために自分がどれくらいのことをすればいいのか」が見えやすくなります。

おそらく、「食べちゃっている」ことは自分の中でもうすうす気がついているはずであり、そういう「うすうす」の部分を隠そうとせず、ちゃんと光を当てて浮かび上がらせていかなければなりません。ダイエットをスタートする前に、自分がけっこう食べてしまっていることへの「気づき」を得ることが大事なんですね。

つまり、自分の現状を把握したうえで、自分が減らすべきカロリー量を具体的な数字で浮かび上がらせていくと、より狙いが鮮明になって、効率よく合理的にダイエットを進められるということ。これこそがロジカルダイエットの食事量コントロールのベースとなっている考え方なのです。

 

清水忍

トレーニングジムIPFヘッドトレーナー。アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP)、健康運動指導士。一九六七年、群馬県生まれ。大手フィットネスクラブ勤務後、スポーツトレーナー養成学校講師を経て独立。「なぜ」を追求するロジカルな指導で、メジャーリーガー・菊池雄星投手らプロアスリートのパーソナルトレーナーとして絶大な人気を誇る。ダイエット指導歴三十五年以上。NESTA JAPANエリアマネージャー、菊池投手考案の野球複合型施設「King of the Hill」アドバイザー。「Tarzan」監修など多くのメディアで活躍中。『ロジカル筋トレ』『超宅トレ』など著書・監修書多数。

※本記事は清水忍著の書籍『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎)から一部抜粋・編集しました。
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