「我慢」「辛抱」と感じるうちは再び太る可能性あり! ダイエットにつきものの「リバウンド」の仕組み

ちまたには多くのダイエット方法があふれています。これまで何度もダイエットに挑戦しては失敗を繰り返してきた方も多いのではないでしょうか? 「痩せない要件」を排除して「痩せる要件」のみを採用すれば、合理的な方法でダイエットを成功させられるかも。本稿で紹介するのは、『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』の著者で、ダイエット指導歴35年以上の健康運動指導士・清水忍氏による、「運動」と「食事」の新常識。「痩せた体」「もう太らない体」の土台を作り上げませんか?

※本記事は清水忍著の書籍『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎)から一部抜粋・編集しました。


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※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)

急激なダイエットが必ず失敗する理由を知っていますか?

本稿では、ロジカルダイエットの具体的実践方法を紹介していきます。ただ、その前に、ダイエットを論じるうえで避けては通れない「リバウンド」について言及しておきましょう。

じつは、ダイエットは「我慢している人ほどリバウンドしやすい」ものです。食べたいという気持ちを日々必死に抑えつけ、我慢に我慢を重ねている人ほど、ストレスが最高潮に達して「もう無理!」となったとたん、一気にドカ食いへと走ってしまいやすい......。そして、食べ始めたら最後、もう自分を止められず、あっという間にリバウンドしてしまうわけですね。

でも、みなさん、不思議だとは思いませんか?

多くの人は「ここで食べちゃったらリバウンドする」ということが分かっているはずです。「絶対に食べたらマズイ」と分かっているのに、欲求に逆らえず食べてしまうのは、いったいどうしてなのでしょうか。

それは、本能レベルで迫ってくる「食べろ!」の声に抗えないからです。

そもそも、私たち人間の脳は、体のエネルギー代謝の状況を常にモニターしていて、体脂肪、体重、筋肉などの量ができるだけいつも同じ状態であるように保とうとしています。そして、急にやせるなどの大幅な変動があると、それを「異常」と受け取って警戒するシステムになっているのです。

たとえば、若い女性が短期間で激やせしてしまうと、生理が止まってしまうことが知られています。これなどは、脂肪量が急激に減ったのを「危険」と察知した脳による、低エネルギー状態下で妊娠させないための反応の表われだと言えます。

つまり、急激にやせてしまうと、脳はそれを生存の危機だと認識し、非常事態レベルでアラートを発動してくるようになる。すなわち、「これ以上やせたらマズイぞ!」「早く元に戻せ!」「もっと食べろ!」といったアラートをさかんに発してくるわけです。このアラートは、一個の生命体が何とか生き延びようとして発せられる「本能の叫び」と言ってもいいでしょう。

だから、頭では「食べたらリバウンドする」と分かっていても食べてしまうのです。かなり意志が強い人でも、この「本能の叫び」には抗えません。しかも、こうした「本能の叫び」は、これまで食事量を抑えて我慢に我慢を重ねてきた人ほど、強烈なインパクトで感じることになるのです。

こういった点から考えれば、厳しく食事を制限することによって短期間でやせた人が、必ずと言っていいほどリバウンドするのは当たり前だということが分かりますよね。また、同じ理由で、早く結果を出そうとするインスタントなダイエットが成功しにくいということも納得していただけるでしょう。

 

清水忍

トレーニングジムIPFヘッドトレーナー。アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP)、健康運動指導士。一九六七年、群馬県生まれ。大手フィットネスクラブ勤務後、スポーツトレーナー養成学校講師を経て独立。「なぜ」を追求するロジカルな指導で、メジャーリーガー・菊池雄星投手らプロアスリートのパーソナルトレーナーとして絶大な人気を誇る。ダイエット指導歴三十五年以上。NESTA JAPANエリアマネージャー、菊池投手考案の野球複合型施設「King of the Hill」アドバイザー。「Tarzan」監修など多くのメディアで活躍中。『ロジカル筋トレ』『超宅トレ』など著書・監修書多数。

※本記事は清水忍著の書籍『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎)から一部抜粋・編集しました。
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