「やせ」に直結しないのに、「筋トレ」と「有酸素運動」をするとやせやすくなる、その理由

ちまたには多くのダイエット方法があふれています。これまで何度もダイエットに挑戦しては失敗を繰り返してきた方も多いのではないでしょうか? 「痩せない要件」を排除して「痩せる要件」のみを採用すれば、合理的な方法でダイエットを成功させられるかも。本稿で紹介するのは、『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』の著者で、ダイエット指導歴35年以上の健康運動指導士・清水忍氏による、「運動」と「食事」の新常識。「痩せた体」「もう太らない体」の土台を作り上げませんか?

※本記事は清水忍著の書籍『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎)から一部抜粋・編集しました。


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※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)

運動ではやせないのに、運動するとやせやすくなる!?

ここまで「やせる効果を運動に期待しても無駄だ」ということを、具体的にカロリーの数字を挙げながら見てきました。でも、矛盾することを言うようですが、合理的、効率的にやせたいなら、やはり「運動すること」は絶対に不可欠なのです。

いったいどういうことなのか。

それは、やせるための「土台」をつくるのに、運動が必要だからです。「土台」とは何かというと、体を動かすことがまったく苦にならないような能力、あるいは、毎日体を動かして旺盛に活動することのできる能力です。

私は、日々のカロリー消費を増やすためのいちばんのカギになるのは「活動量」だと考えています。「活動代謝量」と言い換えてもいいでしょう。

活動量が多い人は、何かの行動をするときに体を動かすことがまったく苦になりません。目の前に階段があればためらいなくステップを上っていくでしょうし、オフィスが散らかっていればパパッと動いて片づけます。重そうな荷物を運ぶときも率先して働きますし、バスを待っているときに歩いたほうが早いと判断すれば、迷わず歩くほうを選びます。

このような活動量の多い人は必ずやせています。日々のちまちまとしたカロリー消費が多く、エネルギーをたくさん燃やす「土台」がしっかりしているため、そんなにがんばらずともやせていられるのです。

一方、活動量が少ない人は、何かの行動をするときに、体を動かさずに済むラクなほうを選びます。上り階段があるときは必ずエレベーターやエスカレーターを探しますし、オフィスが散らかっていてもなかなか腰を上げようとしません。重そうな荷物なんか持てないし持ちたくない。バスを待っているときは、遅刻しそうでも待ち続け、ほんの数百メートルの移動でタクシーを使うこともめずらしくありません。

そして、こういうふうに活動量の少ない人は、必ずと言っていいほど太っています。日々の活動レベルが低いと消費カロリーも低く、エネルギーを少ししか使わない「土台」になってしまうのですが、そういう人は、太りやすくやせにくいのです。

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(C)中村知史

つまり、カギになるのは、「体の『土台』となる能力」「体を動かすのを苦にしない能力」「旺盛で活発な活動をする能力」がどれだけあるか。実際、近年の運動生理学研究では、こうした活動量(活動代謝量)の大小がダイエットの成否を左右する重要な要素になることが明らかになってきているのです。

なお、勘違いしている人が多いのですが、「活動代謝量」ではなく「基礎代謝量が上がることでやせる」というロジックは間違いです。

 

清水忍

トレーニングジムIPFヘッドトレーナー。アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP)、健康運動指導士。一九六七年、群馬県生まれ。大手フィットネスクラブ勤務後、スポーツトレーナー養成学校講師を経て独立。「なぜ」を追求するロジカルな指導で、メジャーリーガー・菊池雄星投手らプロアスリートのパーソナルトレーナーとして絶大な人気を誇る。ダイエット指導歴三十五年以上。NESTA JAPANエリアマネージャー、菊池投手考案の野球複合型施設「King of the Hill」アドバイザー。「Tarzan」監修など多くのメディアで活躍中。『ロジカル筋トレ』『超宅トレ』など著書・監修書多数。

※本記事は清水忍著の書籍『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎)から一部抜粋・編集しました。
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