貯金が少ないから老後が心配...多くの人が抱える将来の不安。そんな時代に、「お金がなくても幸せになれる」と言うのは70代の牧師・ミツコさん。著書『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』(すばる舎)の中では、その暮らしぶりを伝えています。今回は同著書から、ミツコさんが感じた仕事のやりがいや日常の感動など、人生を充実して過ごすためのヒントをお届けします。
教会への献金のため、シルバー人材の仕事で不足を補って
ある中でどうにかする、7万円なら7万円の生活をするだけです。
ただそうは言っても、年金7万円のみでは厳しいこともわかっていました。
というのも、教会への献金があるから。
献金は神様に捧げるもので、クリスチャンにとっては、生活費よりも優先順位の高いものです。
教会の運営は教会員からの献金で成り立っており、存続のために欠かせません。
聖書の教えでは収入を10に分けて、そのうち1つは神様のもの(献金)とされていますが、金額に決まりはありません。
「神様と私」の間のことです。
教会員それぞれが出せる額でいいのです。
教会への献金にもいろいろ種類があるのですが、毎月一定額をおさめる月定献金、教会堂を維持していくための会堂献金、教会学校や礼拝での献金などが主なところです。
他に、クリスマス、イースター、誕生日、出産、入学、就職など神様に感謝することがあるとき、その都度献金します。
献金は、主に牧師の謝儀(給料)、教会の光熱費、電話代、コピー機のリース代などの活動費に使われます。
毎月の献金は、私の中で絶対に譲れないこと。
だから、牧師を引退して年金をもらうようになっても、働く必要があるだろうと、早くから覚悟していました。
主任牧師を辞めた2015年の秋に、地元の自治体が運営するシルバー人材センターに登録しました。
ここは家庭や企業、公共団体などから様々な仕事を引き受けて、登録した高齢者に仕事を提供してくれます。
私に何ができるかと考えたところ、4人の子どもたちを育てながらずっと担ってきた家事ならお手伝いできるかなと思い、登録しました。
12月から1軒のお宅に、お掃除のために通い出しました。
そして、年が明けて夫が亡くなり、「もう1軒、仕事を増やしてください」とセンターに連絡したところ、家に着く前に「料理の仕事がありますが、どうですか」と電話がありました。
すぐに仕事が見つかり、とてもありがたいことでした。
金曜日の夕方から3時間、仕事で遅くなるママの代わりに夕ご飯を作っています。
その後、最初のお宅の仕事がなくなり、他の掃除の仕事が決まって、火曜日と木曜日の2時間、それぞれ1軒ずつ通っています。
3軒とも子育てをしながら共働きをしているご家庭です。
時給は1時間1000円で、週に3日働き、月2~3万円になります。
これで、献金しても生活できるようになりました。
加えて、美容院に行ったりといった臨時出費も、問題なく出せる余裕ができました。
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74歳の牧師がつづる、一人暮らしの老後生活。健康管理法やお金の価値感などについて全6章で紹介されています