「泥棒に追い銭」ゲームから抜け出す方法
それでは、「泥棒に追い銭」ゲームから抜け出すためにはどうすればいいでしょうか?
●4つのゲームの終わらせ方
(1)ミスをしない
(2)仕掛け人の否定的な気持ちに反応しない
(3)大人の対応を心掛けて事実を告げる
(4)ゲームの場から離れる
「泥棒に追い銭」ゲームは、お金を貸しているほうがカモに見えますが、お金を貸しているほうは、自分を否定するために、お金のない無力な者を利用している仕掛け人です。
お金を借りる人も、カモの立場ではありますが、仕掛け人の自分を否定するところにつけ込んでお金を借りに来ます。
お金を借りに来るカモに対して、仕掛け人自身がお金を渡すことをやめない限り、永遠とお金を貸し続けることになります。
つまり、仕掛け人側の工夫が必要です。
このゲームは、仕掛け人が、「断るのが悪い」という考え、人間関係が壊れてしまう怖れ、罪悪感をコントロールできるようになれば、終わらせることができます。
要は、「他人の人生まで自分が負う必要はない」と思うことが重要になります。
しかし、他人ならそう思うことも可能ですが、相手が自分の子どもや肉親の場合は、なかなか罪悪感がなくならないものです。
お金を貸さないことで、かえって罪の意識に苛まれることもあるでしょう。
そのような場合は、その気持ちを逆手に取ります。
お金を貸すことを楽しむのです。
楽しむことが前提にあれば、自分がかつて満たすことができなかった「子ども心」を満たせますし、罪悪感がなくなります。
さらに、イライラや怒りなども起こりません。
ただ、これはお金に余裕がある場合のみ可能です。
お金に余裕がない場合、このゲームをやめる効果的な方法は、(3)「大人の対応を心掛けて事実を告げる」です。
「お金が足りないというけれど、何に足りないの?」と根ほり葉ほり聞くのです。
お金を借りる理由を聞き、「それは貸さなくても大丈夫だね。何とかできるね」と、1つひとつお金を借りる原因を消していけばよいのです。
例えば、
「子どもを幼稚園に送り迎えするための車が必要」
「給料が安くて、家賃が払えない」
などと相手が言えば、
「歩いて行きなさい。子どもにそれくらい苦労をさせてもいいわ」
「先月はどうやって払ったの? 先月の通りにやればいいじゃない」
「もっと安い家に住みなさい」
など、お金を貸さなくてよい方法がわかってきます。
意外と、余計なところにお金を使ったりしているものです。
それを1つひとつ聞いていくのです。
毎回、しつこく行えば、そのうちお金の無心をしなくなる可能性が高くなります。
また、解決のための話し合いをすることで、お金を貸さないことへの罪悪感も減少します。
さらに、もう1つ効果的な方法があります。
それは、(4)「ゲームの場から離れる」です。
借金を頼む人と会わないようにしましょう。
会わなければ、そもそもゲームが起こりません。
息子さんがお金の無心に来ることは、息子さんのためにならないし、自分のためにもなりません。
もし、「最近、俺のことを避けているんじゃない?」と言われたら、「お金の無心をされるからね。お母さんつらいのよ。会うと貸してしまうし」と事実を伝えるといいでしょう。
突然、家に来た場合は、家に入れないことです。
その時はつらいかもしれません。
しかし、「会うと、お金がないのに、頼まれてしまってつらい」と理由を言って、強く断るのです。
その時は両方がつらい思いをするかもしれませんが、だんだんと息子さんはお金を無心をしないようになっていきます。
これは、息子さんのためでもあります。
もし、自分だけでは難しければ、知り合いの力を借りることも考えましょう。
(2)「仕掛け人の否定的な気持ちに反応しない」は、仕掛け人自身がゲームをやめるために行動しなくてはならないため、この方法をとることはできません。
心理学の理論をもとにした10のゲーム。5章にわたって人間関係のルールとトラブル攻略法が解説されています