毎月12万円のパート収入でやりくりをし、「老前整理」としてのものを減らしながらシンプルに暮らす――。そんな日々を綴ったブログが人気となったショコラさんの著書『58歳から 日々を大切に小さく暮らす』(すばる舎)より、「慎ましくも工夫して楽しむ生活」のヒントを、連載形式でお届けします。
クローゼットにあるのはどれもずっと着たい服
ひとり暮らしのスタートは、ものが少なく限られた服だけでしたが、洋服が好きだったし、営業職をしていたため、服はたぶん人よりたくさん持っていたと思います。
今の部屋は小さかったから広く見せたくて、最初から背の高い家具は置きたくないと思い、洋服箪笥やハンガーバーを置くのはやめました。
すべてクローゼットに収まるようにしようと、「1枚買ったら1枚捨てる」と決め、しばらくは続けていました。でも徐々に、新しく買っても代わりに処分するのが難しくなり、ギュウギュウに使っていました。
退職して、制服のあるパート仕事になったため、服の数も必要なくなりました。営業時代のスーツやジャケットは処分。さらにその後、ものの整理を始めてからは、通勤着を季節ごとに制服化し、少ない枚数で着まわすように。
昨年の夏、職場で制服に着替えるのだから、通勤も休日も服を区別する必要がないとやっと気づきました。仕事へ行く服という括りの制服化をやめたことで、よりいっそう服の数を減らせました。
若い頃は、おしゃれや買い物が大好き。
周りから、着ている服を褒められることが嬉しく、自分のためだけでなく人に見てもらうためのおしゃれもしてきました。
でも、歳とともに欲しいものも少なくなり、若い頃と違って何を着ても似合うわけではなく、思い通りの自分になれるわけでもありません。
とはいえ、何を着ていてもいいや、なんていう気持ちにはなりたくない。
自分のために、自分が心地よくなるために、おしゃれ心はずっと持っていたいと思っています。
今クローゼットにある服はどれも大好きで、この先もずっと着続けたいものばかり。夏物のスカート、冬物のスカート、ニット、コート、持っている服は把握するようにしています。
トップスはすべて、クローゼットでハンガーに掛けるようにしています。シーズンオフの服はチェストの引き出しに。パンツ類は折り畳んで、取り出しやすいチェストの下段に重ねて収納しています。
捨てるか迷ったらスーツケースに一時保留
高かったからもったいない、また着るかもなど、捨てるか残すか迷う服もたくさんあります。
そのときは、その場で処分しないで、一時保留と考えてスーツケースに入れておきます。1年に2、3回開けてみると、持っていたことを忘れている服ばかり。そのときに処分します。そこでまだ迷っている服は、そのままケースに戻します。この中が空になったことはありませんが、古い服は徐々に減っています。
手持ちの洋服
冬物
●トップス
セーター類・・・・・・・・・・・・・・・5枚
ニットチュニック・・・・・・・・・・・・4枚
●スカート ・・・・・・・・・・・・・・・・2枚
夏物
● 羽織物(初夏)・・・・・・・・・・・・・3枚
● トップス
半袖ブラウス・Tシャツ ・・・・・・・・・6枚
半袖チュニック・・・・・・・・・・・・・4枚
● スカート・ガウチョ・・・・・・・・・・・4枚
● ワンピース・・・・・・・・・・・・・・・1枚
● パンツ類・・・・・・・・・・・・・・・・3本
春秋物
● トップス
長袖綿ニット・・・・・・・・・・・・・・4枚
長袖チュニック・・・・・・・・・・・・・2枚
● ワンピース・・・・・・・・・・・・・・・1枚
● スカート・・・・・・・・・・・・・・・・3枚
パンツ類(夏以外年間通して)
● ジーンズ・・・・・・・・・・・・・・・・1本
● その他・・・・・・・・・・・・・・・・・4本
コート他
● 冬物コート・・・・・・・・・・・・・・・5着
● 春秋物コート・コーディガン・ジャケット・4着
● 喪服・喪服用コート・・・・・・・・・・・各1着
大きな処分は終わったと思いますが、それでもまだ不要なものがあり、今は一日一捨をしています。
服に限らず、普段目につかない引き出しの中やキッチン収納の中、玄関収納の中、使っていない古いもの、小さなもの......。
探してみると、処分しきれていないものが意外とたくさんあり、ゲームのように楽しんでいます。
毎日できなくても、いつも意識していると、引き出しの中もどんどんスッキリしてきます。
捨てるか残すか迷う服は、スーツケースに一時保管。定期的に見直しますが、なかなか捨てる決心がつかない、思い入れのある服も。
撮影/林ひろし イラスト/須山奈津希
ショコラさんの「慎ましくも豊かな暮らし」の工夫をぜひ。その他の記事リストはこちら
「老前整理」として物を整理しつつ、「シンプルで豊かな暮らし」が詰まった一冊です。