ものが捨てられないシニア世代でも、半分捨てられるようになる!? そんな方法を考案したのは整理収納アドバイザーの阿部静子さん。「1日5分1スペース」「ソファにはものを置かない」などのルールを守るだけでリバウンドしないと大人気です。今回は阿部さんのメソッドをまとめた著書『ハンカチは5枚あればいい』(すばる舎)から、「スペース別の片付けポイント」の一部をご紹介します。
【前回】捨てる基準は「ニオイとフタ」。保存容器何個もってますか?/ハンカチは5枚あればいい
【最初から読む】これでリバウンドなし! 家の片づけ重要なのは「順番」
普段使いの食器は全て、取り出しやすい引き出し1段に収納。来客用のカップ&ソーサーと皿はときどきしか使わないので、別の引き出し1段に収納しています。(撮影/回里純子)
「大皿5枚・小皿20枚」で孫が喜ぶごはんは完成
食器がなかなか手放せない、という方はとても多いです。
子どもと一緒に暮らしていたときに比べ、使う食器は限られているのに、数は減らせない。
多くの方が「年に数回、孫が遊びに来るとき必要だから、捨てられないのよ」とおっしゃいます。
久しぶりにお孫さんに会えたときには、手料理を振る舞いたい気持ち、よくわかります。
以前、子どもが巣立ち、夫婦2人になったお宅の食器棚の整理をしました。
いつも使っている食器と来客用に分けてもらったのですが、いつも使っている食器がとても少ないことに、私も相談者さんも驚きました。
おひとり暮らしの方でも同じことをしてみたら、いつも使っている食器は決まった数枚でした。
食器はたくさんあっても、いつも使っているものは少ないのです。
つまり、年に数回の孫たちとの食事会のために、食器棚にびっしり食器を入れているということ。
終活を始めたという60代の受講生さんは、「食器をだいぶ手放しました。たまに来る孫たちのために残したのは、大皿5枚、小皿20枚だけ。これだけあれば十分よ」とおっしゃっていて、私も納得しました。
たとえば、お子さん家族が4人、自分たち夫婦と合わせて6人分の料理を作るとします。
お料理5品を大皿へ。
取り分ける小皿が20枚あれば間に合います。
足りなければ、普段使いのお皿を使えばいいのです。
60代の受講生さんが残した枚数は、現実的で説得力がありました。
お孫さんの数が多いとしても、いっぺんに来ることは少ないと思います。
大勢が一度に集まるお宅の場合は、6人分で大皿5枚・小皿20枚を基本にして、残す数を決めてはいかがでしょうか。
思い入れのある食器は最後に回す
とはいえ、食器を減らすのは無理をしなくて大丈夫です。
思い入れがあるものも多いからです。
受講生さんの中にも人を招くのが好きで、食器集めが趣味という70代の方がいました。
「旅先で集めた食器も多いから、捨てるものは何ひとつないんです」とおっしゃっていたので、食器の整理は最後にしました。
すると、他のものを手放しているうちに考えが変わり、食器も減らそうと思い、実際に手放すことができました。
もし、無理に減らしていたら、「あれは手放さなければよかった」と後悔していたかもしれません。
思い入れがあるものを最後にすると、スムーズに手放せるという参考になる事例ですね。
最初に手放しやすい食器は、おまけでもらったロゴ入りやキャラクターのものです。
そのあとは、まずは用途別に分けます。
ケーキ皿、深皿などと分けていると、「カレー皿が多い」と持ちすぎている食器が明確に。
用途別に分けて枚数が多いものは、使っていない分を手放しましょう。
用途がひとつしかない皿は、持たない
ひとつの用途しかない食器は要チェックです。
わが家では焼き魚用の長い皿は、他に用途がないので手放しました。
サンマのような細長い魚は半分に切って、丸皿に盛りつけています。
このアイデアは受講生さんにも好評です。
食器を整理された受講生さんの中には、いつも使っている食器を手放し、来客用を使うことにされた方もいます。
毎日三食、自分をおもてなししているようで、いいですよね。
70代の受講生さんで、年齢的に食事を作る負担が大きくなったので、お孫さんたちとの食事会を外食に変えた方もいます。
発想の転換です。
使わない食器が手放せて、キッチンがスッキリしたようです。
【次回】リビングをキレイにキープできる「ゾーン分けとルール化」/ハンカチは5枚あればいい
「玄関」「クローゼット」「キッチン」など6つのスペース別片付け術はわかりやすくで始めやすい! 「ハンカチは5枚」の理由もわかります