糖尿病、高血圧、婦人科系疾患...40代からの病気のリスクは「睡眠」で減らせる

すっきり起きれない、いびきがうるさくなったなど、歳を重ねてくると、誰でも大小さまざまな「睡眠」の悩みを抱えます。ただ、その悪い睡眠を放っておくと、思考力や集中力の低下を招き、仕事や生活が不安定になる恐れも。そこで「睡眠を変えれば人生が変わる」と説く医学博士・田中俊一さんの著書『45歳からは「眠り方」を変えなさい』(文響社)から、脳と体を老け込ませる「睡眠負債」をリセットする方法を連載形式でお届けします。

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あらゆる不調や生活習慣病予防・改善のコツは、「眠りを変える」ことだった!!

40代は、体のターニングポイントです。急に疲れやすくなったり、様々な症状が表れたりと、それまでになかった変化を感じる方が多くいます。

もともと私たちの体が持っている免疫力やエネルギー(生命力)は、加齢とともに弱まっていきます。そしてその分だけ、それまでの生活習慣やストレスが蓄積したことの影響が、表面に出てきやすくなるのです。

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40代はいわば、体本来の能力と、生活習慣によってつくられてきた性質のバランスが逆転する時期、ともいえるでしょう。

ですから、日頃どんなに気をつけている人でも、何らかの不調が出やすいのがこの年代。これまでに睡眠不足などを積み重ねてきた人はなおさらです。

40代からの不調の代表例が、糖尿病、高血圧、ガン、婦人科系疾患です。実は、これらの症状の予防・改善のカギは睡眠が握っています。

しかし、睡眠と不調の因果関係はまだよく知られていないため、健康診断で糖尿病や高血圧などの疑いを指摘されると、それぞれの診療科を訪れます。糖尿病なら内科や眼科、婦人科系疾患であれば婦人科や産婦人科、といった具合です。

それでは、これらの症状の根本にある「睡眠の問題」は解決しません。

ただ「眠りが浅いだけ」「時間が短いだけ」と思っている睡眠が、実は根元でたくさんの不調につながっている。それらの症状を根本から治療するためには、睡眠の改善は欠かせない、といっても過言ではないのです。

実際に、睡眠を改善するだけで、糖尿病やガンのリスクが大幅に下がったり、血圧が下がったり、婦人科系の病気が治癒したりというのは、珍しい事例ではありません。厳しい食事制限や投薬治療をしなくても不調が改善するのであれば、そのほうがいいに決まっていますよね。

ただし、今すでに治療や投薬を受けている方が自己判断だけでストップすることは絶対にやめてください。医師の指導のもとに睡眠を改善し、結果として食事制限や投薬治療がなくなる、という流れを目指しましょう。

もし、糖尿病、高血圧、ガン、婦人科系疾患を持っているなら、あるいは健康診断で、その疑いが見られたなら、ほとんど100%の確率で、あなたの睡眠には改善の余地があります。

すでに症状がある方はもちろん、予防という観点でも、睡眠がきちんととれているかどうか、ぜひ見直してみてください。

45歳から人生が激変?「眠り方を変えなさい」記事リストはこちら!

糖尿病、高血圧、婦人科系疾患...40代からの病気のリスクは「睡眠」で減らせる 052-syoei-nemurikata.jpg仕事の立場や生活スタイルなど、人生が大きく変わり始める40代に贈る、「5つの睡眠改革法」がまとめられています

 

田中俊一(たなか・しゅんいち)

医学博士。横浜市立大学院客員教授、医療法人みなとみらい理事長。1997年に金沢内科クリニック設立後、国際医療福祉大学院教授、横浜市立大学大学院教授など経て、現職に。毎月8000名の生活習慣病の治療に睡眠から取り組む、睡眠と糖尿病のスペシャリスト。日本テレビ系「世界一受けたい授業」などメディア出演も多数。

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『45歳からは「眠り方」を変えなさい』

(田中俊一/文響社)

睡眠が人生を変える――。人生の成功をつかんだ人は、睡眠をより良いものにし、常に最高のコンデションを保つ努力をしています。35年にわたり延べ10万人の睡眠と、人生を変える姿を見てきた医学博士が、人生を楽しく生きるための「5つの睡眠改革法」を伝授。

※この記事は『45歳からは「眠り方」を変えなさい』(田中俊一/文響社)からの抜粋です。
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