30代から「老化速度」に差が!45歳「睡眠改革」のススメ

すっきり起きれない、いびきがうるさくなったなど、歳を重ねてくると、誰でも大小さまざまな「睡眠」の悩みを抱えます。ただ、その悪い睡眠を放っておくと、思考力や集中力の低下を招き、仕事や生活が不安定になる恐れも。そこで「睡眠を変えれば人生が変わる」と説く医学博士・田中俊一さんの著書『45歳からは「眠り方」を変えなさい』(文響社)から、脳と体を老け込ませる「睡眠負債」をリセットする方法を連載形式でお届けします。

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睡眠の質・量が足りない人の特徴 なぜ、45歳を過ぎたら、睡眠改革が必要なのか

夜中のトイレに代表されるように、睡眠の質が下がることで夜中の覚醒が増え、さらに睡眠の量も減ってしまう、という連鎖が起こってしまうことは珍しくありません。でも、「そうはいっても、自分は睡眠時無呼吸症候群ではないので、関係ない」という方も多いでしょう。

でも本当に、あなたの睡眠の質は大丈夫でしょうか?以下に、睡眠を見直したほうがいい方の感じがちな自覚症状を挙げておきます。当てはまるものがないか、確認してみてください。

睡眠の質・量が足りない人の症状

【疲れや老化】
・十分に寝ているはずなのに、日中に眠気を感じる
・集中力が落ちてきている
・以前より、疲れがとれなくなってきた
・なんとなく、エネルギーが湧いてこない
・肌が荒れやすい、髪の毛が減った
・身体的に、男性は「男性らしさ」、女性は「女性らしさ」が低下している
・同年代の他の人より、老けている気がする

【眠りそのものについて】
・布団に入って3分以内に眠りに落ちる
・平均の睡眠時間が7時間未満である
・睡眠時無呼吸症候群である
・いびきがうるさい
・寝起きが悪い

【日常生活】

・食べすぎてしまうことが多い、太り気味だ
・もの忘れが多い
・やるべきことに追われて、つい短時間睡眠になりがち
・血圧が高い(起床時が120-60より高い)
・脈が速めである(10秒間に15回以上脈を打っている)

【性格】
・ネガティブな考え方をしがち
・感情的になってしまいがち

【病気】
・糖尿病である
・ガン家系、認知症家系で、心配している
・婦人科系のトラブルがある

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いかがでしょうか。当てはまるものはありませんか?

逆に考えれば、今、これらの悩みがあったとしても、睡眠を改善することによって、これらの症状は自然と消していくことができるということです。睡眠改革には、それだけの力があるのです。

「45歳」という年齢が意味するもの

ところで、なぜ45歳前後が、睡眠改革に一番適した年齢なのでしょうか。

それを考える際には、私たちにとって「眠る」とはどういうことなのか、睡眠で何が得られるかを考えてみてください。食事のようにわかりやすく「栄養」や「熱量(カロリー)」を得られるわけでも、呼吸のように「酸素」を得られるわけでもありません。私たちはいったい、睡眠から「何」を得ているのでしょうか?

まず、「休息」「休憩」という言葉を思いつく方もいるでしょう。しかし、別に眠らなくても活動せずにじっとしていれば、「休息」や「休憩」をとることはできます。でも、活動せずにじっとしている時間があれば寝なくていい、なんてことは絶対にありませんよね。

私は、寝ることで得られるのは、「生命力」であると考えています。

私たちの生命力は常に変動していて、1日のうちでも増えたり減ったりしています。

朝、起きてすぐが、1日で一番、生命力がみなぎる時間です。それが、活動によって減っていき、1日が終わる頃には最低レベルに落ち込みます。それを、睡眠によって再び取り戻して、また新たな1日を迎えるわけです。

私も1日中クリニックの外来で診察をしたり、講演などをしたりすると、家に帰る頃にはエネルギーがきれてしまって、へとへとになります。でも、一晩しっかり寝れば、また翌日は元気に1日をスタートできます。

生命力は目には見えませんが、皆さんも日々、この生命力の変動を実感しているのではないでしょうか。

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30歳を過ぎた頃から、老化速度には「明らかな差」が開く

また、体にみなぎるエネルギー(生命力)の全体量ですが、成長期を過ぎると次第に減っていきます。

幼い子どもは、「どこにそんなエネルギーがあるの?」と聞きたくなるほどに、元気いっぱい。エネルギーの塊です。

でも、大人になると、子どものようにはしゃごうとしても、なかなかそんな気になれませんよね。それは、持てるエネルギーの量そのものが、加齢とともに減ってしまうからなのです。

そうはいっても、成長期を少し過ぎた20代くらいだと、そのエネルギーの減少も大きな問題ではありません。仕事や勉強、飲み会などで徹夜をして、体が睡眠を欲するのを無視して睡眠不足になったとしても、そこまで大きな問題は生じることなく、過ごすことができるでしょう。

睡眠不足を測るバロメーターとして脈の速さと血圧で見ることをおすすめしていますが、20代の方は睡眠不足でも数字に大きな変化が現れないのが通常です。

しかし、30歳を過ぎたあたりから、それぞれが持っている生命力の差が顕著になってきます。

「日頃から体を顧みず、睡眠不足の蓄積などで生まれ持った生命力をどんどん消耗して生きてきた人」と、「日々の活動で減った分はきちんと補って、生まれ持った生命力を大切にしてきた人」で、歴然とした差が出てくる。保持できる生命力が変わっていくわけです。これは、日中の活動の質にも、ひいては寿命の長さにも通じます。

これまで睡眠不足を重ねてきた方は、睡眠負債(睡眠時間が足りないごとに溜まっていく、睡眠時間の借金)が蓄積し、たとえその日は十分な睡眠をとっていたとしても、いつも脈が速くなっているのではないでしょうか。

睡眠不足は「寿命の前借り」!?

今も睡眠不足だとしたら、さらに生命力を削り取っているといえるでしょう。消耗し続けている人が気づいて立ち止まらない限り、その差は年齢を重ねるごとに、どんどん広がっていくのです。

私は現在60代ですが、同窓会などに顔を出すと、まだ40代に見える人がいる一方、「こんな先生、いたかな?」と思うほど老け込んで見える人もいます。同い年といっても、睡眠習慣の積み重ねによって、ゆうに20歳以上の差が感じられてしまうわけです。

皆さんも、年齢の割に若々しい人、老け込んだ人が思い当たるのではないでしょうか。両者には、残りの寿命に換算してみても大きな差が見られるはずです。

若々しいというのは、生命力に溢れているということです。その生命力を維持するためには、良質な睡眠が欠かせません。

日々消費した生命力を、適度な睡眠によって補うこと。そうして、生まれ持った生命力を維持し続けることが、不可欠なのです。

052-syoei-nemurikata.jpg仕事の立場や生活スタイルなど、人生が大きく変わり始める40代に贈る、「5つの睡眠改革法」がまとめられています

 

田中俊一(たなか・しゅんいち)

医学博士。横浜市立大学院客員教授、医療法人みなとみらい理事長。1997年に金沢内科クリニック設立後、国際医療福祉大学院教授、横浜市立大学大学院教授など経て、現職に。毎月8000名の生活習慣病の治療に睡眠から取り組む、睡眠と糖尿病のスペシャリスト。日本テレビ系「世界一受けたい授業」などメディア出演も多数。

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『45歳からは「眠り方」を変えなさい』

(田中俊一/文響社)

睡眠が人生を変える――。人生の成功をつかんだ人は、睡眠をより良いものにし、常に最高のコンデションを保つ努力をしています。35年にわたり延べ10万人の睡眠と、人生を変える姿を見てきた医学博士が、人生を楽しく生きるための「5つの睡眠改革法」を伝授。

※この記事は『45歳からは「眠り方」を変えなさい』(田中俊一/文響社)からの抜粋です。
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