「自分が嫌い」。だけど、変わりたい......。/自分を好きになろう

双極性障害の治療後、長く続く抑うつ状態と向き合ってきた筆者。ネガティブな世界からのサバイバルをあと押ししたのは、意外にも簡単な7つの「行動」でした。2ヶ月ぶりの換気、10秒片付けからはじまる、抑うつ状態への行動療法、認知療法的アプローチの実践と記録に、「自分を好きになる」ためのヒントを探してみましょう。

※この記事は『自分を好きになろう うつな私をごきげんに変えた7つのスイッチ』(KADOKAWA)からの抜粋です。

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【やってみる前】
  ・気力がなく、ひたすら寝ている。
  ・家の中はゴミ屋敷。
  ・これから先、いいことなんて起きる気がしない!

【やってみたこと】
  ・元気な人の真似をしてみる。
  ・まずは10秒片付け。
  ・ペットボトルをゴミ袋に入れてみるところから。

【起きたこと】
自分が「変われる」ということに気がつく。
(そして久しぶりに料理を作った)


自分が大嫌いだった

2015年の9月。

私は38歳でした。
そして、好きな人に振られたばかりでした。

38歳という私の当時の年齢は決して若くはありません。だから、もう、真剣な恋愛はできないだろうと自分では思っていました。

この頃の私は、仕事もぱっとせず、病気がちだし、いつも他人の成功を羨(うらや)んでいました。同年代で活躍している作家さんの書いたものは嫉妬に狂いそうになるので読めませんでした。それでいて、「今さらイチから努力するのもめんどくさい」と、書くための時間をとることもしませんでした。自分には何もないと思っていたので、いつも自分の心がスカスカな感じがしていました。

努力は嫌だけど、寂しい気持ちを埋めたい私は、自分をちやほやしてくれる男性からの「賞賛」を利用しました。

不毛な「モテ」のためだけに男性とやりとりしたり会ったりしていました。
でも、そういうふうに「モテ」たあと、必ずむなしい気持ちになりました。
別に好きでもない男性にチヤホヤされても嬉しくないと、どこかで自分でわかっていたからだと思います。自分のつらさやさびしさを埋めてもらうために男性と会うのは、二人羽織で食事をするのとおなじようなもどかしさを感じました。心の傷やむなしさを的確に理解し、手をさしのべてくれる「孫の手」のような男性はいないのだろうか......。そんな都合のよいことを考えていました。

そんな私に、ものすごく好きになれる人が現れたのです。
でも、私は、その彼が、いつか絶対自分を裏切って去っていくだろうということを、根拠もなく信じていました。

それはたぶん、心の芯の部分で、自分が自分を大嫌いで、自分を信じていなかったからだと思います。
こんなにダメで、特に作家としての実績もなく、メンタルの病気もちで、38歳で、バツイチで、中年太りしはじめていて、しかもいつもネガティブで、家事が全然できなくて(以下100個ほど理由が続く)......、そんな私に、こんな素敵な人がそばに居てくれるわけがないと思っていました。

だから、あらかじめ傷つかないように、彼にまじめに向き合うことをしませんでした。
夏の終わりのある日、私からしたら些細なことがきっかけで、彼は激高し、会うのはそれっきりになってしまいました。
ある意味、自分が信じた通りの結果になったわけです。

そして私は本当にひとりになりました。

もう「ちやほや」されたいとも思わなくなりました。それよりも、本当に好きな人のことすら大事にできなかった私って、一体なんなんだろう? と、ひとりの部屋でじっと考えていました。このまま行くと、これからまた好きな人ができたとしても、おなじことを繰り返すような気がする。なぜこうなってしまうのだろうか。私が病気だからなのだろうか? いや、そうじゃない気がする。これは、病気という意味ではなく自分がどこか「おかしい」んだろう、そう思いました。

でも、どこが「おかしい」のかわからないし、どう変えたらいいのかわからない。でも、このままは嫌だ、どう変わったらいいのかわからないけど、変わりたい......。 

次の記事:死んだようなスカスカな心を抱えて、ベッドに直行する日々。/自分を好きになろう(2)

【まとめ読み】『自分を好きになろう』記事リスト

 

 

岡 映里(おか・えり)

作家。1977年、埼玉県三郷市生まれ。職を転々としながら、慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業。のち、Web開発ユニット起業、会社員、編集者、週刊誌記者などの仕事を経る。2013年、双極性障害と診断され休職、離婚などを経験。2年間の治療を経て2015年に症状が落ち着く。以後も続いたうつ状態を、行動療法、認知療法的な視点から改善。

 

瀧波ユカリ(たきなみ・ゆかり)
漫画家。1980年北海道札幌市生まれ。2004年、月刊アフタヌーンで四季大賞を受賞しデビュー。エッセイも発表している。

(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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『自分を好きになろう うつな私をごきげんに変えた7つのスイッチ』

岡 映里[著]・瀧波ユカリ[漫画]/KADOKAWA)

双極性障害の診断を受け、休職して2年間治療に専念。その後、長く続く抑うつ状態に向き合った筆者がたどり着いた、「行動」による回復の軌跡をたどるエッセイ。片付け、おしゃれ、筋トレなど、うつな思考回路から解放されるためにトライすべきことがわかる一冊です。

 

この記事は書籍『自分を好きになろう うつな私をごきげんに変えた7つのスイッチ』からの抜粋です
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