ひらめきはジムや電車で生まれる!できる人のアイデア発想法

仕事がたまる、残業が減らない、遊ぶ時間がない...そんな人は「時間の使い方」が悪いのかもしれません。毎月1冊、10万字の本を書き続けている人気ブックライター・上阪徹さんが実践している「時間術」についてお届けします。成功者3000人を取材して学んだという「時間の哲学」に満ちたメソッドは必見です!

※この記事は『大人の時間割を使えば、仕事が3倍速くなる! プロの時間術』(上阪徹/方丈社)からの抜粋です。

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アイデアは、デスクで考えない

「時間割で厳格に仕事スケジュールを管理しているのはわかった。でも、企画やアイデアは、定められた時間の中で出てくるようなものではないのでは......」

こんな質問を受けることがあります。たしかに、それは一理あります。本を作るときに取材の内容を細かくピックアップしたり、本の構成を考えたり、本の内容となる「素材」をたくさん出していったりするのは、定まった時間では難しい。

例えば、一時間の「時間割」(※仕事のプロセスを小分けにして時間枠に当てはめる予定表)をブロックしておいて、「この時間で本の素材を全部、出そう」などというのは至難の業です。実際、無理だと思います。

私はこの手の「企画やアイデア」に関しては、デスクで考えることはほとんどありません。デスクでウンウンうなって考えたところで、出てくるものはたかが知れている、ということを知っているからです。

これも取材で聞いた衝撃的な話でした。

もう20年近く前になります。前衛的な作品を次々と世に送り出し、世界にも知られる著名なアーティストの方でした。もちろん仕事の取材ですから、聞かなければならないことはきちんと聞くのですが、その上でとても興味があったことがありました。それは、あんな作品アイデアがいったい、どのようにして生み出されているか、でした。

そんな質問をインタビューの終わり際に出すと、彼はすんなりと語られたのでした。「あ、それは簡単です。コミュニケーションするんです。スタッフと」

私はびっくりしました。当時はまだ、きっとデスクの上でウンウンうなっているんじゃないか、と思っていたからです。彼は続けました。

「アイデアというのは脳の奥底に潜んでいるんです。でも、それを自分で引っ張り出すのは並大抵のことではない。ところが、誰かといろいろしゃべっているうちに、ある言葉がトリガーになって、一気に出てくるんです」

なるほど、と思いました。たしかに、一人うなっても簡単に出てくるものではない。誰かとコミュニケーションすることが大切になるのか、と気づいたのです。

アイデアや企画は、デスクでウンウンうなって考えない

その後、何年か経って、もうひとつ貴重なヒントを得ました。これは放送作家の方だったのですが、アイデアを出すにはコツがある、と聞いたのです。

「例えば、シャワーを浴びているときとか、車を運転しているときに突然、何かが浮かんだりしませんか。実は脳が油断したときに、アイデアって出てくるんですよ」

実際、彼はジムでランニングマシーンに乗って走るときにメモ帳をぶら下げていると言っていました。逆にいうと、デスクでウンウンというのは、最もやってはいけないアイデア発想法だということです。なぜなら、脳は油断していないから。

「経営者の多くが、ジムに行っているでしょう。それは健康のためなんかじゃない。身体を動かして脳が油断したときに、ひらめくことに気づいているからなんじゃないかと思っているんですよ」

そうなのです。デスクの上ではなく、違うことをやっているときに浮かんだことをキャッチすることが大切なのです。駅まで歩いているとき、電車に乗っているとき、ご飯を食べているとき......。

ということで、私もデスクでは企画やアイデアを考えません。多くのケースは、駅までの歩く道と電車の中です。特に電車の中は、刺激とネタの宝庫なのです。向かいに座っている人のメガネの色から、中吊り広告から、隣でしゃべっている人の会話の中身まで、とにかく刺激だらけです。そこに意識を向けていると、連鎖反応でどんどんいろんなことが浮かんでくるのです。

それをすぐにスマートフォンにメモします。それこそ、駅まで歩いているときに浮かぶこともあるし、週末のランニング中に浮かぶこともあるし、飲み会の最中にトリガーに引っかかることもあります。それをすぐにメモする。

これは『10倍速く書ける超スピード文章術』や『これなら書ける!大人の文章講座』など、文章系の書籍に詳細に記していますが、こうやって素材をどんどんメモしていくと、その素材を眺めているだけで、さらに連鎖的に別の素材が浮かんできたりする。

こうやって、たくさん出てきた素材やアイデアを、「時間割」で確保した一時間で「整理」していくのです。これなら、一時間で問題ありません。場合によっては、電車内でできてしまうこともあります。

実はこの本の構成は、アメリカ出張の帰りの飛行機の中で作りました。それまでに電車の中や駅までの歩く道、あるいは、取材の合間や寝る前など、ふと思いついたタイミングでどんどん出していった素材を、機内でまとめてしまったのです。

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上阪徹(うえさか・とおる)

ブックライター。1966年、兵庫県生まれ。早稲田大学商学部卒。ワールド、リクルート・グループなどを経て、94年よりフリーランスとして独立。幅広く執筆やインタビューを手がける。超多忙の中、毎月1冊の書籍を締め切り厳守で書き上げる、時間術のプロ。著書に『企画書は10分で書きなさい』(方丈社)、『これなら書ける!大人の文章講座』(筑摩書房)、『10倍速く書ける 超スピード文章術』(ダイヤモンド社)、『JALの心づかい』(河出書房新社)、『職業、ブックライター。』(講談社)など多数。インタビュー集に40万部を突破した『プロ論。』シリーズなど。ブックライターとしても、80冊以上を執筆。携わった書籍の累計売上は200万部を超える。2011年より宣伝会議「編集・ライター養成講座」講師。2013年、ブックライター塾開講。

上阪徹さん公式ホームページ

 

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『大人の時間割を使えば、仕事が3倍速くなる! プロの時間術』

(上阪徹/方丈社)

超多忙の人気ブックライターが“終らない仕事を終わらせる”ための「プロの時間術」を公開。それは、時間を見える化&ブロック化することで集中力と効率を高め、「同時並行で多くのことを高速で行う」ための「大人の時間割」ともいうべきメソッド。ビジネスマン必読の一冊です。

※この記事は『大人の時間割を使えば、仕事が3倍速くなる! プロの時間術』(上阪徹/方丈社)からの抜粋です。

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