いい年をした大人になっても、悩みのタネとなるのが人間関係。「どうしてあの人は...」「私はこう思っているのに...」とため息ばかりで疲弊した毎日を送るその前に、気持ちがラクになる方法を覚えてみませんか? 一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子(おおの・もえこ)さんに「人付き合いをラクにする便利な言い方」を教えてもらいました。
【前回】人付き合いに「疲れない」方法は? 心がラクになる「7つの心構え」
便利な言い方7
相手に伝える言葉をほんの少し変えるだけで、疲れず、ラクな人付き合いが可能に!
1.断るとき
仲が良い人から...
映画に行きましょ!
明日はヒマ?
少し苦手な人から...
いつなら会えるの?
来月はどうかしら?
【ココがポイント】
「他人からのお誘いを断るのは心苦しいもの。でも、だからといってあいまいに濁してしまうと、結果的に自分で自分の首を絞める結果になります。断る場合ははっきりと。理由はわざわざ伝えなくてOKです。また、あまり得意ではない相手からのお誘いを断る際は、主導権を自分が握るのが得策。『こちらから連絡します』『私からお電話します』と答えるようにしましょう」(大野さん)
2.褒められたとき
【ココがポイント】
「相手の好意を素直に受け止めず、NOで返すのはいただけません。日本では謙遜は美徳といわれていますが、たとえ社交辞令であっても、ここは素直にお礼を言いましょう」(大野さん)
3.わがままを言うとき
【ココがポイント】
「人間関係を円滑にするためには、ある程度わがままを言うのもアリ。我を押し通すのではなく『ダメだったら言ってね』と前置きをすると、相手もわがままを受け止めやすくなります」(大野さん)
4.相手を注意したいとき
【ココがポイント】
「注意したいことがある場合はむやみに遠回しにせず、淡々とシンプルに伝えましょう。『気になっていた』という言い方は当たりがやわらかく、相手を深く傷付けずに済みます」(大野さん)
5.何かしてほしいとき
【ココがポイント】
「『~するべき』という言葉は圧が強いので、できれば避けたいもの。勝手に決めつけたり押しつけたりせず、ごくごくシンプルに、相手が受け取りやすい言い方にしましょう」(大野さん)
6.悩んでいる人に対して
【ココがポイント】
「相手はすでに弱っている状態ですから、こちらから歩み寄る姿勢を見せ、悩みを打ち明けやすい状況をつくってあげて。『力になる』というひと言で、きっと相手も救われます」(大野さん)
7.おすそわけをするとき
【ココがポイント】
「『余り物』『つまらない物』という言い方をすると、『いらない物・必要のない物をくれるの?』と、悪い意味で受け止められることも。プラスの言葉を添えれば間違いはありません」(大野さん)
《相手へのお願いごとは、シンプルに伝えましょう!》
「ちょっと言いにくいお願いごとをするときは、あれこれと前置きをせずシンプルに明確に伝えるのがポイント。理由や事情、対価などもきちんと伝えましょう。また、帰り際や外出する前など、何かが迫っているときは避けるのが無難。相手の気持ちに余裕があるときを見計らって、お願いごとを伝えた方が叶えてもらえやすくなります」(大野さん)
取材・文/和栗 恵 イラスト/とつかりょうこ