いい年をした大人になっても、悩みのタネとなるのが人間関係。「どうしてあの人は...」「私はこう思っているのに...」とため息ばかりで疲弊した毎日を送るその前に、気持ちがラクになる方法を覚えてみませんか? 一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子(おおの・もえこ)さんに、 疲れる場面別の「対処のコツ」を教えてもらいました。
【前回】疲れずラクな人付き合いをするために! 場面別「7つの便利な言い方」
疲れる場面別、対処のコツ5
人付き合いの中で感じる「困った!」も、対応を変えるとラクになることがあります。
(1)相手と何を話せばいいのか、分からない!
「会話が続かなくて気疲れしてしまうときは、焦らずに沈黙を楽しんでいいんです。相手に質問をするときは『はい/いいえ』ではなく答えを自由に選べる質問にすると、会話のきっかけが生まれます」(大野さん)
対処のポイント
・沈黙が訪れても気にしない!
・「はい/いいえ」で答えられない質問をする
・無口な相手には、無理やり話しかけない
(2)相手がいつも愚痴ばかりで、もううんざり!
「言い方は少し悪いですが、相手に正面から向き合わず、テレビドラマを見るような気持ちで耳を傾けて。相手に振り回されず疲れないようになり、相手の言いたいことや気持ちをラクにキャッチできます」(大野さん)
対処のポイント
・ 客観的に見る
・ 話を聞いてあげることで、相手を癒せる
・「 人の振り見て我が振り直せ」も忘れずに
(3)「そうそう! 分かる!」...感情移入し過ぎてヘトヘト
「相手の話を聞いて、あなたまで相手と同じ気持ちになる必要はありません。一生懸命話を聞こうとすればするほど、細かい点が気になることも。同感ではなく共感にとどめ、リラックスして話を聞きましょう」(大野さん)
対処のポイント
・相手と一緒になって悩まない!
・リラックスして聞くと、相手に気持ちが伝わる
(4)いつもいつも自慢ばっかりで、つらい!
「自慢話をする人は満たされない思いを抱えているもの。『すごいわね!』と先回りして褒めてあげると、自慢話は少なくなります。それでも自慢してくるようであれば『あら、そうなの』と流してOK !」(大野さん)
対処のポイント
・先回りして褒めて封じる
・自分自身の自慢を言い返すのはNG
・面倒なときはスルーがおすすめ
(5)相手が喜ぶ返事を考え過ぎて、ストレス...
「『あなただけは分かってくれる!』と相手は喜ぶかもしれませんが、互いに依存度が高ま
り関係が危ういものに。依存心は、相手を支配したい気持ちの裏返し。お互い別の人間だ
と意識することが大切です」(大野さん)
対処のポイント
・相手のことも自分のことも尊重する
・相手の思い通りの答えを返さなくてもOK
それでも疲れるときは、ゆっくり「さよなら」がおすすめ
「嫌いな人の相手をする必要はナシ。急がずゆっくりと、少しずつ接点を減らしていくと、少ないダメージで離れることができます」(大野さん)
会う回数を少しずつ減らしましょう!
取材・文/和栗 恵 イラスト/とつかりょうこ