着古したシャツや浴衣、シーツなどの木綿布を再活用して手作りする布ぞうり。木綿なら、布目に沿ってはさみを入れるだけで簡単に裂けます。この裂いた布で、布ぞうりを作ってみませんか?
古布を編んで自分だけの布ぞうりに
布ぞうりは肌に優しく、鼻緒がしっかりと足を固定するので脱げにくく室内履き向きです。厚みがあるので、冬、素足で履いてもそんなに寒くありません。
しっかり作ったものは、2年ぐらいはもち、洗濯機で洗えます。押し入れの中で眠っている浴衣やシーツなどを使って、3時間ほどで作れるものもあり、不要になった布が再生するなんて、こんないいことはありません!
まず布を用意します。シャツなどはぬい目にはさみを入れてバラバラにし、幅8㎝おきにはさみで少し裁ち、左右に引くときれいに裂けます。長さは1mぐらいあると編みやすいですが、短いものでも足しながら編むことができます。
着古した柔らかい布の方が、しっかり編み込めます。特に浴衣は表裏がなく作りやすいのでおすすめです。
まずは以下のポイントを押さえてください。
<1.上手に作る4つのポイント>
1 使う布は、木綿の着古した浴衣や洗いざらしのシーツなどがおすすめ
2 常にぞうりの横幅を気にして同じ幅で編んでいく
3 打ち込みが甘いと緩い編みあがりになり、強度が弱くなるので注意
4 かかとの部分は、思いっきり強くロープを引くこと
<2.布ぞうりを作る4ステップ>
1 ロープを足指(器具)に渡し、布を編む用意をする
2 布を足しながら3分の2まで編む
3 鼻緒を編み、ぞうり部分の残りを編んで、ロープを引く
4 前緒を付けて仕上げる
<3.布ぞうりの作り方>
【1】ロープを足指(器具)に渡し、布を編む用意をする
足指にかけて編む
粘着テープを貼ったロープの中央部分を手前にして足の親指にかける。このとき、ロープが交差するように持つ。
器具を使って編む
粘着テープを貼ったロープの中央部分を手前にして器具にロープをかける。かけた部分が交差しているのでこのまま編む。
【こんな道具でもできます】
C型クランプと当て木で簡易な器具が作れます。クランプは、100 円ショップのものでも大丈夫です。
1 ぞうり用布を編みやすい幅に畳みながら、ロープの中央にのせる。
2 布をロープにくぐらせ、右から左に出す。
3 ロープにくぐらせて上に出す。
4 布端の下にくぐらせ、右に出す。
5 上からロープに巻く。
6 布端の上を通す。
7 布端を右に倒す。【2】布を足しながら3分の2まで編む
1 ぞうり用布を左端のロープの上にかけ、下、上と編み込む。
2 布をロープの下、上とくぐらせ、右から左に出す。さらに編み進む。
3 編み終わりは裏に出し、布を足すときはいつも布端を中央に入れる。
4 今回は右に編むが、左右交互に編むと偏らない。
5 端のロープに巻き、続けてロープの下、上とくぐらせ、編む。
6 ぞうりの2/3まで編めたか定規を当てて確認。余分な布は、布端を少し残して切る。
<ときどき幅を確かめます>
編み進めるうちに幅が狭くなるのを防ぐため、ときどき定規を当てて確認します。狭くなっていたら、適宜緩めて幅を調整します。
【3】鼻緒を編み、ぞうり部分の残りを編んで、ロープを引く
1 鼻緒用布2 本をともに50㎝ぐらいの長さのところで左端のロープにくぐらせる。
2 それぞれの布を右回りによりながらねじり合わせていく。
3 鼻緒の長さ(中心がつま先から約3㎝のところ)になるまでねじる。
4 鼻緒の長さになるまでねじったら、短い方の布を右端のロープの下から編み込む。
5 長い方の布は、右端のロープの上から編み込む。
6 左端まで編み込む。
7 長い方の布を鼻緒に内側から1 回巻きつける。
8 ロープの上、下、上と編み込むと、布が右端のロープの下になる。
9 7 と同じように鼻緒に巻きつける
10 右端のロープの上になるようにし、下、上と編む。
11 鼻緒用布がなくなったら、ぞうり用布を足して編み進む。
12 1 列編むごとに指でしっかり布を押さえて打ち込む。
13 かかとの長さまで編んだら、交差の上になっているロープと隣の2本に2回巻きつける。
14 足指(器具)からロープを外し、ロープを交互に少しずつ引く。
15 ロープを引き終わると写真のようにかかとに沿う形になる。
16 さらにロープを引く。力が足りない場合は、2 人で引くとしっかり引ける。
17 布を広げてロープが見えないようにする。
18 布端を引っ張り、しっかり引き締める。
19 裏側に出ている残り布を1㎝くらいに切ってそろえる。
20 きれいに切りそろえた裏側。
【4】前緒を付けて仕上げる
1 前緒用布を半分に折り、中央をよる。布通しに挟み、鼻緒の少し前のつま先から3㎝ぐらい下の中心に入れる。
2 前緒用布を裏側に通して、5㎝ぐらい引き出す。
3 2 本のロープの端を、引き出した前緒用布に通す。
4 前緒用布を表から引き、ロープをぞうりの裏に固定する。
5 引き出した前緒用布は、それぞれよく右回りによりながら、2 本をねじる。
6 2 回ねじったら、片方を鼻緒の中心の下から出す。
7 鼻緒に1 回巻きつけ前緒用布の下を通す。
8 もう片方の前緒用布も同様に鼻緒に巻きつけて前緒の下から出す。
9 前緒を入れたところの1 目下に布通しを刺す。
10 布通しに前緒用布を通し、しっかり裏側に引く。
11 通した前緒用布をロープの両側から出す。
12 片方の前緒用布をロープの下に入れ、もう片方を逆に巻く。
13 前緒用布の両端を引き、しっかり留める。
14 余分な前緒用布を切り、ロープも切って完成!
【5】完成!
撮影/原 務