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「冥王星」が準惑星に"格下げ"された事情
太陽系を構成する惑星はいくつあるのか。かつては「水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星の9個」と答えるのが正解だった。
しかし現在では、「水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星の8個」という答えが正解だ。ご覧のとおり、その答えから冥王星が除外されてしまっているわけだが、何も太陽系から消滅してしまったわけではない。今も昔と同じ場所に、その姿を見ることができる。
では、なぜ冥王星が太陽系を構成する惑星から姿を消したのかというと、惑星ではなく準惑星に「格下げ」されたからである。
そもそも、「惑星」とは何だろう。じつは、最近まで明確な定義は存在せず、「太陽のまわりを回る大きな天体」という大まかな条件しか提示されていなかった。
ところが2005年、冥王星より大きな新天体「エリス」が、冥王星の軌道付近で発見されたことから、惑星の定義に関する議論が勃発(ぼっぱつ)。2006年になってIAU(国際天文学連合)が、太陽系の惑星の定義を決めると同時に、準惑星という新しい分類を発表するに至った。
このとき決定した定義によると、惑星とは「太陽のまわりを回る」「自己重力によってほぼ球形になっている」、さらに「軌道の近くに衛星以外の天体を排除している」という三つの条件を満たしている天体であること。一方、準惑星の定義は、「惑星の定義にある最初の二つしか満たすことができず、衛星でもない天体であること」と、取り決められた。
その結果、冥王星は惑星の定義を満たすことができず、準惑星に格下げされることになったのである。
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