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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
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太陽の寿命はあと50億年!? 星の一生は「体重」で決まる
太陽は水素が高温で密集し高速にぶつかり合い、合体して燃えています。このしくみからわかるように、恒星(こうせい)の中心の密度が高いほど核融合反応は盛んになります。つまり、重い星ほどよく燃えるのです。
重い星は自らの重みで中心の密度が大きく、高温になります。すると、逆説的ですが、重い恒星ほど寿命は短くなります。軽い恒星よりも燃料を浪費するからです。星の一生は体重(質量)で決まるのです。
実際、太陽の8倍の重さの恒星の一生は1000万年程度。反対に、太陽の2割ほどの重さの恒星の一生は何兆年にも達します。
では、太陽はどうでしょう。その寿命はおよそ100億年と考えられています。太陽は誕生してから46億年が経っているので、一生の半分くらいは過ぎたことになります。
太陽は、50億年後には次第に膨らんで赤色巨星(せきしょくきょせい)に変身し、最後に地球ほどの大きさで明るい白色矮星(はくしょくわいせい)になり、時間をかけて冷えて一生を終えると考えられています。
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